The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

術後遠隔期・合併症・発達

Oral Session (II-OR16)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:岩田 祐輔(岐阜県総合医療センター 小児心臓外科)
座長:金子 幸裕(国立成育医療研究センター 心臓血管外科)

[II-OR16-03] A cross-sectional study of sleep-disordered breathing in pediatric Fontan patients

林 立申1,3, 塩野 淳子1, 出口 拓磨1, 坂 有希子2, 阿部 正一2, 宮部 治子4, 堀米 仁志1 (1.茨城県立こども病院 小児循環器科, 2.茨城県立こども病院 心臓血管外科, 3.筑波大学医学医療系 小児科, 4.水戸済生会総合病院 耳鼻咽喉科)

Keywords:SDB, 睡眠, フォンタン

【背景】心不全患者における睡眠呼吸障害(SDB)合併は予後不良のリスク因子である。機能的右室が欠如するフォンタン循環では SDB に伴うストレスへの忍容性はさらに不良と考えられるが、小児フォンタン患者の SDBに言及した報告はなく、その詳細は不明である。
【目的】フォンタン術後小児患者における SDB の現状を明らかにする。
【方法】当院に通院中のフォンタン術後患者を対象とし、(1) 患者背景、(2) SDB関連アンケート、(3) 睡眠検査指標(respiratory disturbance index; RDI、睡眠時baseline SpO2、最低SpO2など)、(4) 耳鼻科的所見、(5) 血行動態指標(BNP、mPAPなど)について調査し、解析した。
【結果】症例は45例(男23)、調査時年齢 10(4-19)歳、フォンタン手術後期間6年11か月(7か月-17年2か月)であった。心形態はHLHS 12、SV 10、PAIVS 5、TA 4、その他 14例。内臓錯位 10(22%)、PLE合併 5例(11%)だった。アンケートは全例、睡眠ポリグラフは36例、耳鼻科診察は16例に実施された。いびき症状あり 14例(31%)、睡眠QOL質問紙(OSA-18)高値(≧50点) 5例(11%)、RDI中央値 1.2(0-13.2)で中等症以上のSDB(RDI>5)と判定されたのは6例(17%)であった。耳鼻科的評価で咽頭・口蓋扁桃肥大あり 11例(69%)、顎顔面異常 3例(19%)、鼻粘膜浮腫あり 10例(63%)だった。RDI高値群(>5)とRDI非高値群における各指標はそれぞれBMI-SDS -0.79 vs. -0.25、NYHA class 1.5 vs. 2.0、いびき症状あり 83 vs. 57%、睡眠時baseline SpO2 94 vs. 96%、最低SpO2 86 vs. 89%、BNP 19.3 vs. 11.3pg/mL、mPAP 10.5 vs. 9.5mmHg、mSVCP 11.0 vs. 10.5mmHg、心室EDP 6.0 vs. 6.5mmHgであった。β遮断薬使用83 vs. 30%(p<.05)、肺血管拡張薬使用100 vs. 53%(p<.05)であった。
【結語】フォンタン術後小児患者は一定の割合でSDBを合併することが明らかになった。SDB合併患者は高率にいびき症状を伴い、より濃厚な内科治療が行われる傾向にある。