[II-OR16-05] Evaluation of pulmonary congestion in the remote postoperative period after Fontan surgery using Remote dielectric sensing.
Keywords:Remote dielectric sensing, Fontan, 肺うっ血
【背景】近年、うっ血を伴う心不全診療において、臨床症状が出現するよりも早期にうっ血を発見し、介入することにより予後が改善することが報告されている。胸郭内の水分量を電磁波の技術を用いて非侵襲的に定量するremote dielectric sensing(ReDS)は、成人循環器診療において、肺うっ血の評価に有用であることが報告されているが、小児先天性心疾患におけるFontan術後患者におけるReDSの有用性についての報告はない。【目的】Fontan術後患者の肺うっ血評価におけるReDSの有用性を明らかにすること。【方法】対象は当院通院中のFontan術後患者13名。胸部レントゲンにおけるうっ血評価スコアリングcongestion score index (CSI)、心臓カテーテル検査で得られた肺動脈楔入圧(PAWP)、Nt-proBNPとReDSとの相関を検討した。【結果】ReDSの構造特性上、体重30kg以上の患者が対象となり、男性7名、女性6名、年齢中央値17歳であった。ReDSの中央値は35%(最小-最大: 32-50%)に対し、CSI、Nt-proBNP、PAWPの中央値(最小-最大値)はそれぞれ0.6(0.33-1.0)、104(27-2040)pg/ml、8.5(5-13)mmHgであった。ReDS値とCSIは正の相関を認めた(r=0.61, p=0.025)。一方、ReDS値とPAWP、Nt-proBNPには有意な相関を認めなかった。 【考察】Fontan術後患者の遠隔期において、ReDS値は肺うっ血を反映していた。ReDSは非侵襲的に肺うっ血を定量評価することができ、簡便に繰り返し測定することが可能な装置である。ReDS値を評価することで、漫然と投与しがちな利尿剤の投与量調整にも有用な可能性がある。【結論】ReDSはFontan術後小児患者における肺うっ血評価に有用な可能性がある。今後、症例を蓄積しさらに検討する必要がある。