The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

術後遠隔期・合併症・発達

Oral Session (II-OR16)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:岩田 祐輔(岐阜県総合医療センター 小児心臓外科)
座長:金子 幸裕(国立成育医療研究センター 心臓血管外科)

[II-OR16-05] Evaluation of pulmonary congestion in the remote postoperative period after Fontan surgery using Remote dielectric sensing.

岡部 真子, 西山 真未, 坪井 香緒里, 寳田 真也, 仲岡 英幸, 伊吹 圭二郎, 小澤 綾佳, 廣野 恵一 (富山大学 小児科)

Keywords:Remote dielectric sensing, Fontan, 肺うっ血

【背景】近年、うっ血を伴う心不全診療において、臨床症状が出現するよりも早期にうっ血を発見し、介入することにより予後が改善することが報告されている。胸郭内の水分量を電磁波の技術を用いて非侵襲的に定量するremote dielectric sensing(ReDS)は、成人循環器診療において、肺うっ血の評価に有用であることが報告されているが、小児先天性心疾患におけるFontan術後患者におけるReDSの有用性についての報告はない。【目的】Fontan術後患者の肺うっ血評価におけるReDSの有用性を明らかにすること。【方法】対象は当院通院中のFontan術後患者13名。胸部レントゲンにおけるうっ血評価スコアリングcongestion score index (CSI)、心臓カテーテル検査で得られた肺動脈楔入圧(PAWP)、Nt-proBNPとReDSとの相関を検討した。【結果】ReDSの構造特性上、体重30kg以上の患者が対象となり、男性7名、女性6名、年齢中央値17歳であった。ReDSの中央値は35%(最小-最大: 32-50%)に対し、CSI、Nt-proBNP、PAWPの中央値(最小-最大値)はそれぞれ0.6(0.33-1.0)、104(27-2040)pg/ml、8.5(5-13)mmHgであった。ReDS値とCSIは正の相関を認めた(r=0.61, p=0.025)。一方、ReDS値とPAWP、Nt-proBNPには有意な相関を認めなかった。 【考察】Fontan術後患者の遠隔期において、ReDS値は肺うっ血を反映していた。ReDSは非侵襲的に肺うっ血を定量評価することができ、簡便に繰り返し測定することが可能な装置である。ReDS値を評価することで、漫然と投与しがちな利尿剤の投与量調整にも有用な可能性がある。【結論】ReDSはFontan術後小児患者における肺うっ血評価に有用な可能性がある。今後、症例を蓄積しさらに検討する必要がある。