The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Oral Session

成人先天性心疾患

Oral Session (II-OR17)

Fri. Jul 12, 2024 4:40 PM - 5:40 PM ROOM 6 (4F 401-403)

座長:片岡 功一(広島市立広島市民病院 小児科)
座長:島田 衣里子(東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)

[II-OR17-04] Characteristics of late-elderly (75 years or older) ASD patients and treatment strategies in percutaneous closure

片岡 功一1,2, 中川 直美2, 重光 祐輔2, 岡本 健吾2, 荻野 梨恵1,2, 岸本 禎広1,2, 久持 邦和3, 立石 篤史3, 臺 和興4, 西岡 健司4, 鎌田 政博2,5 (1.広島市立広島市民病院 小児科, 2.広島市立広島市民病院 循環器小児科, 3.広島市立広島市民病院 心臓血管外科, 4.広島市立広島市民病院 循環器内科, 5.たかの橋中央病院 小児循環器内科)

Keywords:後期高齢者, ASD, 経皮的閉鎖術

【背景と目的】経皮的ASD閉鎖術の普及とともに,高齢者の施行例も増えている.後期高齢ASD患者(75歳以上)の特徴から,経皮的閉鎖術における注意点と治療戦略を検討する.
【対象と方法】75歳以上で経皮的閉鎖術に臨んだ30例のうち,治療を中止した2例(肺出血1例,左心耳内血栓1例)を除く28例について,診療録から後方視的に検討した.
【結果】年齢は75歳2か月~90歳3か月(中央値79歳9か月),男7例,女21例,体重は33.9~67.7kg(中央値49.2kg).13例は以前からASDと診断され,うち1例は小児期に診断されていた.NYHA分類はIV度1例,III度8例,II度16例,I度3例.不全症状の出現時期は,小児期診断例を含み閉鎖術前1年以内が19例と多かったが,5年以上前も3例あった.併存症は肺高血圧18例,心房細動12例,冠動脈狭窄1例のほか,癌6例,糖尿病5例,脳梗塞3例など多臓器にみられた.欠損孔9.6~33.4(中央値16.1)mm(多孔性1例:主孔14.3mm,副孔6.0mm),肺/体血流比1.4~6.6(中央値2.1),大動脈rim欠損18例,後方rim欠損1例.閉鎖栓はAmplatzer Septal Occluder 10例(12.0~24.0mm),Figulla Flex II 17例(10.5~36.0mm),Gore Cardioform ASD Occluder 1例(32mm).術前/後の左心不全治療/予防と,欠損孔の伸展・拡大を抑え閉鎖栓の留置をより確実にする目的で25例にpreconditioningを行い,うち22例には循環作動薬も使用した.閉鎖術に伴う合併症例は,脱落したGore Cardioform ASD Occluder(37mm)を回収してFigulla Flex II(19.5mm)で閉鎖した84歳例と,肺出血をきたした76歳例であった.全例閉鎖に成功し自覚症状は改善,21例で三尖弁逆流も改善した.
【考察と結論】心不全症状の出現時期から,高齢になって欠損孔の伸展・拡大によるASD短絡の増加や,TRの増悪が起こった可能性が示唆された.術前後の抗心不全療法を併用することで,後期高齢者のASD症例でも安全に閉鎖術を施行することができる.