[II-OR21-04] A study of preoperative right ventricular volumes in TGA and corrected TGA requiring Intracardiac turnover procedure for anatomic biventricular repair.
Keywords:完全大血管転位症, 修正大血管転位症, one and a half修復
【背景】完全大血管転位(TGA)3型や修正大血管転位(cTGA)に心室中隔欠損(VSD)と肺動脈弁狭窄症(PS)が合併した病型では、解剖学的二心室修復(ABVR)やone and a half修復(1.5VR)の際に左室から大動脈への心室内通路転換(IVR)が必要となる。その際に右室容積が減少するが、術前の右室容積と二心室治療後の血行動態指標との関連についての報告は少ない。【方法】2000年からの24年間に、静岡県立こども病院においてABVR、または1.5VR修復の対象となったTGA3型、もしくはcTGA+VSD+PSについて電子ファイルの検索を行った。この中で術前に心臓カテーテル検査または心臓MRIにより心室容積の評価が行われている症例を研究対象とした。以下について検討を行った:術前データ:右室容積、三尖弁輪径など;手術約1年後のカテーテルデータ:下大静脈圧(IVCP)、心係数(CI)など。【結果】対象は28例(男児:17例、女児:11例、手術時年齢:1歳4か月(6か月-6歳1か月))。TGA3型:17例、cTGA:11例。そのうち、ABVR群:19例(TSO(truncal switch) 3例、Nikaidoh 1例、REV 1例、Rastelli 14例)。1.5VR群:9例 (cTGA 8例でhemi-double switch術、TGA3型 1例)。術前右室容積係数(ml/m2): ABVR: 68.8(44.5-106);1.5VR:57(30.5-74.2)p=0.01。術前三尖弁輪径% of normal:ABVR: 101.5(86.6-140);1.5VR:100.0(74-120)p=0.20。ABVRと1.5VR間で術前右室容積係数は有意にABVR群で大きかった。術後データ:IVCP (mmHg): ABVR: 6(4-11);1.5VR: 5(3-12)。CI(l/min/m2): ABVR: 3.87 (2.86-4.59);1.5VR: 3.45(2.80-4.30)。ABVR群において術前右室容積と術後IVCP・CIとの関係を検討したが、両者ともに相関関係を認めなかった。(前者: r=0.12, 後者: r=-0.18)【結語】1.5VR症例は術前右室容積が小さかった。本研究におけるABVR群の三尖弁輪径は全例でほぼ正常範囲内であり、このような条件下ではRVEDVI>45で二心室循環が成立していた。