[II-P02-2-06] A case of infant with atrial tachycardia associated with COVID-19.
Keywords:心房頻拍, COVID-19, 不整脈
【緒言】成人における新型コロナウイルス感染(COVID-19)に伴う不整脈を含む心血管系合併症は多く報告されているが, 小児, 特に乳児期におけるCOVID-19に関連した不整脈の報告は少なく, 原因や経過は明らかでない. 今回COVID-19を契機に心房頻拍(AT)を認め, 感染の改善に伴ってATが消失するまでの経過を追うことのできた貴重な一例を経験したので報告する. 【症例】周産期歴, 既往歴に特記事項のない4ヶ月女児. 日齢84の朝から発熱を認めた. 前医を受診し, PCR検査でCOVID-19と診断された. 哺乳量の低下も認めたため経過観察の目的で同日昼頃に入院した. 受診時は聴診上明らかな脈不整は認めなかったが, 入院同日の23時頃に心電図モニターで不整脈を認め, 12誘導心電図を施行したところPACと3-4:1のNon-sustained ATが疑われた. また, 血液検査ではNT-proBNP 3840pg/mLと上昇を認めたが, バイタルは安定しており, 心エコーでも明らかな心内奇形は認めず, 心機能も保たれていたため経過観察とした. その後, 自然解熱し, 全身状態および血液検査の増悪は認めなかったが不整脈は持続したため第9病日にホルター心電図を施行し, PAC, Non-sustained ATを含めた上室性不整脈を39.7%認めた. 第23病日に不整脈に対する加療目的に当院に紹介受診となった. 当院受診時のECGではPACは認めるも頻度は少なく, 全身状態は良好でNT-proBNPも1105pg/mLまで低下認めていたため, 抗不整脈薬の導入は行わず経過観察の方針とした. 第35病日の時点では不整脈は認めずNT-proBNPは387pg/mLまで低下した. 以降不整脈の再燃なく経過しており, 今後ホルター心電図でフォローを行う予定としている. 【結語】COVID-19に関連した不整脈は症状改善に伴い自然に消失する事がある. 全身状態が保たれる場合は慎重に経過観察を行うことで不要な抗不整脈薬の投与を回避することができる可能性がある.