The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

川崎病・冠動脈・血管

Poster Session(II-P02-2)

Fri. Jul 12, 2024 4:15 PM - 5:15 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:梶山 葉(京都府立医科大学 小児科)

[II-P02-2-07] The Cases of two girls with right atrioventricular accessory pathway complicated by secondary cardiac dysfunction

蘆田 温子, 尾崎 智康, 小田中 豊, 岸 勘太, 芦田 明 (大阪医科薬科大学病院 小児科)

Keywords:WPW症候群, 不整脈, カテーテルアブレーション

【背景】一部の右側WPW症候群では右自由壁や右傍中隔の房室副伝導路による心室壁運動の非同期性から、非頻拍誘発性に二次性心機能障害を来す報告がある。この病態のメカニズムは未だ不明である。今回、心機能低下を伴った右側WPW症候群の女子2例を通し、この機序について文献的考察を行った。【症例1】10歳女子。学校検診を契機にWPW症候群と診断されたが、頻拍発作を認めず経過。しかし、運動部に入部して以降、運動時の胸痛を訴えるようになり、当院紹介となった。心エコーでLVEF49%と低下しており、SPWMD(septal-to-posterior wall motion delay)は345msであり心室壁運動の非同期性がみられた。マッピングにて三尖弁1時方向に房室副伝導路を認め、同部位を焼灼し治療に成功。治療7か月後にはLVEF67%、SPWMD37msと改善した。【症例2】6歳女子。頻拍発作がありWPW症候群の診断となり当院紹介。紹介時LVEF63%であったが、心室壁運動の非同期をみとめSPWMD334msであった。自覚症状はないものの、遠隔地への転居の予定も控えており、アブレーション治療を希望された。房室副伝導路は三尖弁輪9時方向に位置しており同部位を焼灼。治療後は1か月後にはSPWMD75msと改善をみとめた。【考察】一部の右側WPW症候群で心機能低下が起こるメカニズムについてはっきりと示されたものはない。右自由壁・中隔に副伝導路を有するWPW症候群では、左側胸部誘導の波形が左脚ブロック波形に類似している。左脚ブロックでは左前下行枝の冠動脈血流が減少することで中隔基部の運動低下を来す可能性があると報告されており、類似した現象が右側WPW症候群でも起こっている可能性がある。今後、WPW症候群のうち、心室壁運動低下する例としない例とを比較検討することで、メカニズム解明や予測因子の発見につながることが期待される。【結語】心室壁運動低下を伴った右側WPW症候群2例を経験した。