[II-P02-3-03] Clinical presentation of septic shock secondary to enterocolitis in Fontan patients with protein losing enteropathy
Keywords:Fontan術後, PLE, 敗血症性ショック
【背景】
蛋白漏出性胃腸炎(PLE)を合併したFontan術後患者において、腸管感染契機の敗血症のリスクが高いと推察されるが報告は少ない。自験3症例の経過をもとにその臨床像を考察する。
【症例】
症例1はL-TGA、DORV、Hypo LVに対するLateral tunnel TCPC術後の13歳女子。2歳時にPLEを発症しステロイド内服中であった。発熱、下痢の出現48時間後に救急搬送され、ショックと診断された。WBC 27700/μl、CRP 17mg/dL、IgG 62mg/dLであり、血液・便培養からCampylobacter fetusが検出された。抗菌薬治療を含む集中治療を行い軽快した。
症例2はHLHSに対するextracardiac TCPC (eTCPC)術後の13歳女子。5歳時にPLEを発症しステロイド内服中であった。嘔吐、呼吸困難の出現後6時間で受診し、ショックと診断した。WBC 24200/μl、プロカルシトニン(PCT) 27ng/ml、IgG 192mg/dLであり、抗菌薬治療が奏効した。血液・便培養は陰性であった。
症例3はShone複合に対するeTCPC術後の15歳男子。14歳でPLEを発症するも寛解していた。発熱、腹痛の出現24時間後にショックと診断された。WBC 23900/μl、CRP 28mg/dL、PCT>100ng/ml、IgG 533mg/dLであった。抗菌薬治療が奏効したが血液・便培養は陰性であった。
【考察】
腸炎の発症に低IgG血症が関与すると考えられるが、必ずしもIgGの多寡に依存しない。ステロイドの副作用やうっ血による腸管バリア機能低下の関与も推察される。臨床経過から細菌性腸炎に続発した敗血症性ショックと診断したが、原因菌を必ずしも同定できず、より複雑な病態が介在している可能性がある。
【結語】
症状出現後、急激にショックに至ることから診断と初療の遅れが致命的になる。一方で速やかな治療介入で日常生活への復帰が可能である。したがって、腸炎・敗血症の可能性について、患者、家族、及び初療にあたる一般小児科医に認識してもらうことは極めて重要である。
蛋白漏出性胃腸炎(PLE)を合併したFontan術後患者において、腸管感染契機の敗血症のリスクが高いと推察されるが報告は少ない。自験3症例の経過をもとにその臨床像を考察する。
【症例】
症例1はL-TGA、DORV、Hypo LVに対するLateral tunnel TCPC術後の13歳女子。2歳時にPLEを発症しステロイド内服中であった。発熱、下痢の出現48時間後に救急搬送され、ショックと診断された。WBC 27700/μl、CRP 17mg/dL、IgG 62mg/dLであり、血液・便培養からCampylobacter fetusが検出された。抗菌薬治療を含む集中治療を行い軽快した。
症例2はHLHSに対するextracardiac TCPC (eTCPC)術後の13歳女子。5歳時にPLEを発症しステロイド内服中であった。嘔吐、呼吸困難の出現後6時間で受診し、ショックと診断した。WBC 24200/μl、プロカルシトニン(PCT) 27ng/ml、IgG 192mg/dLであり、抗菌薬治療が奏効した。血液・便培養は陰性であった。
症例3はShone複合に対するeTCPC術後の15歳男子。14歳でPLEを発症するも寛解していた。発熱、腹痛の出現24時間後にショックと診断された。WBC 23900/μl、CRP 28mg/dL、PCT>100ng/ml、IgG 533mg/dLであった。抗菌薬治療が奏効したが血液・便培養は陰性であった。
【考察】
腸炎の発症に低IgG血症が関与すると考えられるが、必ずしもIgGの多寡に依存しない。ステロイドの副作用やうっ血による腸管バリア機能低下の関与も推察される。臨床経過から細菌性腸炎に続発した敗血症性ショックと診断したが、原因菌を必ずしも同定できず、より複雑な病態が介在している可能性がある。
【結語】
症状出現後、急激にショックに至ることから診断と初療の遅れが致命的になる。一方で速やかな治療介入で日常生活への復帰が可能である。したがって、腸炎・敗血症の可能性について、患者、家族、及び初療にあたる一般小児科医に認識してもらうことは極めて重要である。