[II-P02-3-04] Efficacy of stent implantation for Fontan conduit stenosis
Keywords:Fontan心外導管, ステント, 肝臓
【緒言】Fontan術後の心外導管狭窄に対する経カテーテル的狭窄解除はFontan循環の改善に寄与する可能性があるが,その有効性は明らかでない.【目的】Fontan心外導管狭窄に対するステント治療の効果を明らかにする事【対象と方法】対象は2018年から2022年にFontan心外導管狭窄に対して経皮的ステント留置を施行した7例.これらの術前後の臨床症状, 血行動態, 肝機能指標の変化を検討した.【結果】Fontan手術時年齢は中央値2.2(1.3-4.3)歳、治療前評価時年齢は21.3(10.6-34.3)歳. 治療適応は, FALD 4例, PLE 3例. ステント時年齢は21.6(10.8-34.3)歳. 初回Fontanの導管サイズは14mm 1例(造影正面の最狭径8.0mm)/16mm 3例(9.9-11.9mm)/18mm 3例(10.9-12.8mm)で, 全例にPalmaz extra-large stent(P4010)を留置. 導管の最狭部断面積の狭窄率は, 中央値55.9%→24.6%(ステント前→後)に改善し, 治療後の急性期に2例の症状が改善した(浮腫軽快1例/腹水減少1例). 5/7例に対して術後2.3(1.0-3.2)年で血行動態と肝機能評価を施行. ステント最狭部断面積の狭窄率は, 24.6→35.4(ステント直後→再評価時)とステント内狭窄が進行し, 3/5例に対してPTAを施行した. 術前後での各指標の変化は, 全体でCVP 中央値13.5→11mmHgと低下したが, 肝硬度 15.6→14.6 kPa, 4型コラーゲン・7s 7.5-6.7ng/ml, 血小板数15.7→18.6万/μl, Fib4 index 1.0→0.9と肝機能指標の明らかな悪化はないが, PLEが寛解した例はいなかった.【結語】Fontan心外導管狭窄に対するステント留置により急性期に浮腫や腹水改善などの症状が改善する可能性がある. 中央値2.3年の短期評価では, ステント後にCVPは低下したが, その他の血行動態や肝機能やPLEの有意な改善は確認できず, 今後中長期的な効果を評価していく必要がある.