The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

術後遠隔期・合併症・発達

Poster Session(II-P02-3)

Fri. Jul 12, 2024 4:15 PM - 5:15 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:長井 典子(岡崎市民病院 小児科)

[II-P02-3-07] Pulmonary hemorrhage due to residual aortopulmonary collateral arteries long after arterial switch operation of transposition of the great artery

河井 容子1, 池田 和幸1, 安田 貴裕2, 津端 英雄2, 中西 直彦2 (1.京都府立医科大学附属病院 小児科, 2.京都府立医科大学附属病院 循環器内科)

Keywords:完全大血管転位, 遠隔期, 肺出血

【背景】 二心室修復(BVR)へ到達可能なチアノーゼ性心疾患でもAPCAは発生し、新生児期の周術期にAPCAによる心不全や肺出血をきたした報告は散見される。しかしながら遠隔期に残存するAPCAについてはほとんど報告がない。今回、遠隔期に残存するAPCAにより肺出血を認め、塞栓術を要したarterial switch operation(ASO)後の完全大血管転位症(TGA)2症例を経験したので報告する。【症例】 症例1 13歳男児. TGA1型 日齢8にASOを実施された。3歳時の心臓カテーテル検査で大動脈縮窄(CoA), 大動脈弁上狭窄(supra AS)、両側肺動脈狭窄(bil PS)を認めた。5歳時に大動脈拡大術、主肺動脈拡大術を施行。10歳時の心臓カテーテル検査ではCoA、bil PSとも軽度であり経過観察となった。13歳時に喀血を認め精査加療入院。入院後も喀血が持続し、心臓カテーテル検査でminor APCAを認め、コイル塞栓術を行った。以後喀血症状は認めていない。症例2 31歳男性. TGA1型. 日齢16にASOを実施された。術後2年目の心臓カテーテル検査でsupra ASと左PSがあり3歳4ヶ月時に上行大動脈拡大術、左肺動脈拡大術を実施。5歳時に左PSに対してGore Tex patchによる拡大術、19歳時に上行大動脈置換術(Hemashild graft), 肺動脈形成術、右室流出路再建術を実施。大学進学に伴い転医したのちdrop outしていた。31歳時に当院受診。心臓カテーテル検査で高度の右室流出路狭窄(右室-主肺動脈圧差90mmHg)を認め、右室流出路再建術、肺動脈形成術を施行。術後5ヶ月時に呼吸障害で救急受診し左血胸と診断。ドレナージ管理を行った。血管造影で左内胸動脈を中心に多数のAPCAを認めたため、コイル塞栓術を実施した。【考察】チアノーゼ性心疾患ではBVRに到達した症例でも、再開胸術を要したり遺残病変がある例ではAPCAの遺残・増生を認め、APCAの破綻による肺出血症状をきたしうる。