The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Panel Discussion

Panel Discussion 8

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 2:00 PM ROOM 1 (3F Main Hall)

座長:小谷 恭弘(岡山大学 心臓血管外科)
座長:渡邊 卓次(大阪大学大学院医学系研究科 心臓血管外科)

[II-PD8-2] 遠隔期肺動脈弁機能の観点からのファロー四徴症心内修復時におけるtransannular patchの至適サイズ

鹿田 文昭1, 岡 徳彦2, 岡村 達3, 友保 貴博2, 金子 政弘2, 松永 慶廉3, 松井 謙太2, 畑岡 努3, 金田 咲良1, 平田 陽一郎4, 宮地 鑑1 (1.北里大学医学部 心臓血管外科, 2.自治医科大学 とちぎ子ども医療センター 小児・先天性心臓血管外科, 3.群馬県立小児医療センター 心臓血管外科, 4.北里大学医学部 小児科)

Keywords:ファロー四徴症, 心内修復術, 遠隔期肺動脈弁機能

目的: 狭小肺動脈弁輪(PVA)に対しtransannular patch (TAP)による右室流出路再建 (RVOTR)を施行したTOFの術後遠隔期の肺動脈弁機能の観点から, 至適TAPサイズを検討すること.方法: 関連3施設において2008年から2023年でTOF/DORV PSに対しICRを施行した143例中, RVOTRをmonocusp付きTAPで施行した83例 (58%)を対象. TAPで再建した右室流出路のZ scoreは、(TAP幅 [mm] + native PVA [mm] * 3.14) / 3.14 から算出. PRの定義は、心エコーでmoderate以上, RVOTSは圧格差50mmHg以上. ICR後のPR発症の危険因子をCox比例ハザードで解析. 連続変数は中央値+IQRで表した.結果: ICR後の早期および遠隔期心臓関連死亡はなし. ICR施行年齢と体重は232日 (152-411)と7.3kg (6.4-8.4). 段階的手術は34例 (41%)であった. ICR術前のPVA Z scoreは-3.0 (-4.5- -2.0)で、ICR後は0.6 (-0.3-1.6) (P<0.001)であり、Z score増加値は3.7 (3.0-5.5). ICR後10年でPR回避率は39.5%, カテーテルを含む再介入回避率は10年で75.7%. 術後観察期間は7.3年 (3.6-10.2). ICR術前のPVA Z score値より+5以上の大きさで右室流出路を再建した症例は、術後10年でのPR回避率が有意に低かった. (35.8% vs 45.1%, P=0.04)多変量Cox比例ハザードで, PVA Z score値より+5以上の大きさで右室流出路を再建することは、ICR後の遠隔期におけるPR進行の危険因子であった. (HR 2.13 (95% CI 1.08-4.23), P=0.03)結論: 幅が広いTAPによるRVOTRは、遠隔期でPRが進行する危険因子であった. ICR前のPVA Z score値から+5未満の大きさでRVOTRを施行することが、遠隔期でのPRを減少できる可能性が示唆された.