[II-SY5-3] 心臓MRI検査でのT1 mappingによる心筋性状評価と予後予測
Keywords:心臓MRI検査, T1 mapping, 心筋症
心臓MRI検査での遅延造影(LE)の心筋疾患の診断、心筋の性状評価、病態評価、予後予測における有用性は広く認知されている。しかし、1. 左室全体に障害が生じたびまん性病変の評価は困難となる。2. 心筋に異常があっても陽性所見が確認されないことも少なくない。3. Gd造影剤を用いるため腎機能低下症例には 困難となるといった問題点がある。T1 mapping(T1M) は組織が固有のT1緩和時間を有することを利用し、心室の部位ごとのT1値(Native T1)を算定して心筋の組織性状を推定・評価する方法である。心筋のNative T1値は線維化、浮腫、アミロイド沈着で延長し、脂肪成分、鉄沈着により短縮する。T1MではLEでの検出が困難となり易いびまん性病変でも客観的また定量的に評価できる。我々は2018年からT1Mによる心筋正常評価を導入し、心筋症を筆頭に様々な心疾患に対してT1Mの有用性を検討してきた。講演では我々の経験と予後の予測に関する話題をまとめて報告する。