[III-P03-1-09] 愛媛県の教育機関における自動体外式除細動器(Automatic External Defibrillator:AED)の設置状況と課題
キーワード:学校, 突然死, AED
【緒言】自動体外式除細動器(Automatic External Defibrillator:AED)使用の普及など、教育現場の救急体制の整備により突然死は減少傾向にあるが、心停止は依然として一定の頻度で起こっている。ほとんどの教育機関にAEDは設置されているものの、複数台設置および屋外設置による有効設置については進んでいない地域も少なくない。愛媛県下のすべての教育機関におけるAEDの設置状況を調査して、有効設置についてその必要性・有効性を周知・啓蒙することで、よりよい学校救急体制構築のもと学校での突然死を防ぐことを目標とする。【対象と方法】循環器病対策基本法のもと、愛媛県循環器病対策推進計画の一環として、愛媛県の救護体制整備の現状把握と今後の事業推進のため、県内の教育・保育関係施設(幼稚園・保育園・認定こども園・特別支援学校・小学校・中学校・高等学校・大学・専修学校)計1,066施設を対象にAED設置に関わる学校救急体制についてのアンケート調査を行った。調査項目には、AEDの設置台数や場所、AEDへのアクセス時間、教育的側面に関する情報(AEDの講習実施など)が含まれている。【結果および考察】877施設(82.3%)からアンケートを回収した。小学校・中学校・高等学校はほぼ100%の施設でAEDが設置されていたが、小学校の42%、中学校の29%、高等学校の15%が1台設置であった。片道1分以内にAEDにアクセスできない場所がある割合は、小学校27%、中学校26%、高等学校30%であった。また、AEDの使用を含めた心肺蘇生法の教育を児童・生徒を対象に実施している施設は少なかった。【結語】AEDの設置台数や設置場所の適正化について検討が必要であった。心肺蘇生法の教育などを通じても、学校救急体制の整備を目指す必要がある。