日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー05] 等尺性脚伸展動作を用いた周期的な出力およびタイミングの制御

〇長谷部 楓美1、小野 夏純1、三浦 舞子1、佐藤 夢女1、大高 千明2、藤原 素子2 (1.奈良女子大学大学院、2.奈良女子大学)

 随意的な出力発揮において、周期的な運動を行う際、出力とタイミングの双方を制御する場合がある。出力とタイミングの制御について、どちらが難しいのか、またそれぞれの制御は独立しているのか否か、ということが重要な研究テーマとされてきた。これまでの先行研究では、主に手指で行う周期的なタップ運動を課題として検討されており(森藤ら、2009; Sternad et al.、2000)、乾ら(1998)は、タップ間間隔よりも力の変動の方が大きいことから、力の制御の方が難しいことを報告している。加齢による影響を調べた研究(乾ら、2009)では、年齢が上がるにつれてタイミングおよび力の変動が大きくなることも報告されている。また、足でのタップ運動を用いた研究(Takimoto et al.、2016)では、高齢者においてフィードバック情報がある時の方がタップ間間隔の変動が大きく、手指でのタップ運動とは異なる結果が示されている。このように、手指でのタップ運動を用いた研究は多くなされているが、下肢については足底屈・背屈動作を用いたタップ運動にとどまっており、大腿のような大筋による運動については検討されていない。また、先行研究では、目標となる力発揮レベルおよびタイミングを両方呈示する場合と両方呈示しない場合の比較のみを行っている。
 そこで本研究では、大腿四頭筋による等尺性脚伸展動作を課題とし、目標となる力発揮レベルおよびタイミングの両方を呈示する条件と呈示しない条件に加えて、どちらか一方のみを呈示する条件を加え、より詳細に出力の制御とタイミングの制御について比較・検討を試みる。目標とする発揮張力は20%、40%MVFの2条件、出力間隔は1000ms、2000msの2条件を設定した。分析指標としては、発揮張力だけでなく、大腿直筋筋活動における放電開始タイミング、積分値を用い、中枢による運動指令についても検討する。