The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表②

Wed. Sep 8, 2021 9:00 AM - 10:10 AM Room 11 (Zoom)

Chair: Ryoji Isano (Nihon University)

9:55 AM - 10:10 AM

[学校保健体育-B-08] 体育授業の力量形成に関するライフヒストリー研究(その5)

*Seiichiro Kihara1, Kazuki Osedo1, Hiroshi Nakanishi2 (1. Hiroshima University, 2. International Pacific University)

1 目的
 本研究の目的は、C氏の体育授業を対象にして、C氏の体育の「授業の力量」が形成され変容する過程を明らかにすることである。本発表はその第2報として「授業スタイル」の形成と変容を報告する。
2 方法 2-1 対象の説明
 対象とするC氏は、1991年3月にK大学教員養成学部を卒業後、同年4月にK大学大学院学校教育研究科に入学した。その後1993年4月にL町立のM小学校教諭として24歳で採用された。4年後の1997年4月にN町立O小学校に転勤して1年後の1998年4月に29歳でK大学附属小学校に体育専科教員として採用された。C氏は、2012年4月に43歳でK大学教育学部准教授として転出するまでの14年間、学級担任を務めるとともに、体育専科教員として体育授業を担当した。
2-2 資料の収集
 第1に、C氏がこれまでに書いた体育授業に関する授業研究の主な文献159編を収集した。さらに、C氏のライフヒストリーの年表を作成した。第2に、その年表をもとに、C氏へのインタビューを第1次、2次、3次と3回実施した。インタビューは「半構造化面接法」の形式で行った。そしてインタビューを文字にしたトランスクリプトを作成した。
2-3 分析の方法
 第3次インタビューの分析の方法として、藤原他(2006,pp.15-16.)の「授業スタイル」の定義に基づき、「生徒の理解、授業の目的や教育内容の想定、教材の準備や提示、学習活動の組織」の各項目について、調査者が第1次インタビューから帰納的に作成した概念と第3次インタビューの発話、授業研究の文献の記述を代表するタイトルを付けた「授業スタイル一覧表」を作成した。
3 結果
 C氏の授業スタイルは、教材研究から設定された運動技能の目標達成を形成的評価を活用して習得させるスタイルとして形成され、子どもの運動感覚を継続的に耕しながら、運動技能の目標達成を子どもとともに目指すスタイルに変容した。