日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題A】 健康増進につながる体力・運動の在り方をいかに考えるか

健康福祉研究部会【課題A】口頭発表①

2022年8月31日(水) 11:00 〜 11:47 第8会場 (2号館2階21教室)

座長:城所 哲宏(日本体育大学)

11:16 〜 11:31

[健康福祉-A-02] 発散型の運動プログラムがストレスや脳疲労に及ぼす効果(介)

*松﨑 守利1、太刀山 美樹2 (1. 下関市立大学、2. 株式会社MIKI・ファニット)

【目的】本研究では、医療、福祉現場などに勤務する女性を対象に、発散型の運動プログラム(フリーダムコラボレーションダンス:FCD)が、ストレスや脳疲労に及ぼす効果について検証すると事を目的とした。【方法】対象は、医療・福祉現場などに勤務する女性33名(37.3±8.0)とした。発散型の運動プログラムは、チアダンスをベースにした運動プログラム(FCDレッスン)で、スタジオにて集合対面型で行う「対面FCDレッスン」を週2回、web上に提供された録画映像を視聴しながら実施する「自宅FCDレッスン」を週4回実施する事した。実施期間は4週間とした。実施期間前後に、精神心理的指標として、脳疲労診断16ヶ条、内田クレペリン検査、POMS2、アテネ不眠尺度、生理的変化について臨床検査(生化科学検査、血液学的検査)、特殊検査(血中プラズマローゲン濃度、血中カテコールアミン濃度)を行った。【結果考察】脳疲労診断16ヶ条のスコアは、有意に低下し、脳疲労の軽減が示唆された。アテネ不眠尺度のスコアは、有意に低下し、不眠状態の改善が示唆された。POMS2については、ネガティブな下位尺度が有意に低下し、ポジティブな下位尺度は有意に上昇した。これらのことからネガティブな感情が抑制され、ポジティブな感情が向上することが示唆された。臨床検査、特殊検査に変化は見られなかったが、対面FCDレッスンの受講が7回以上の14名について検証したところ、血漿プラズマローゲン濃度は、3.5±1.1 mg/dlから4.0±1.3 mg/dlへ有意に上昇し、定期的なFCD実施が、脳疲労を改善させることが示唆された。【結論】週2回程度の定期的なFCDレッスンへの参加により、ストレスや脳疲労を改善させる可能性が示唆された。