日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題A】 健康増進につながる体力・運動の在り方をいかに考えるか

健康福祉研究部会【課題A】口頭発表①

2022年8月31日(水) 11:00 〜 11:47 第8会場 (2号館2階21教室)

座長:城所 哲宏(日本体育大学)

11:32 〜 11:47

[健康福祉-A-03] スキップ動作のイメージに伴う気分と身体感覚に関する一考察(介,発,心)

*菊地 淳子1、水村(久埜) 真由美2 (1. お茶の水女子大学大学院、2. お茶の水女子大学)

スキップ動作は跳躍による全身のリズミカルな移動運動で、動作を行うことにより、快感情などの情動が惹起する可能性が示唆される。本研究では、動作に伴う気分や感情の変化を歩行と走行、スキップ動作について調査し、スキップ動作へのイメージおよびスキップ動作中の主観的な身体イメージと比較することにより、スキップ動作との関連が強いイメージについて考察する。対象は、18~65歳の男女114名(46.04歳SD11.76、男性41名(46.4歳SD11.19)、女性71名(45.9歳SD12.27))で調査用紙とgoogleフォームを併用し調査を行い、回答を得た。 「快感情」「リラックス感」「不安感」の3つの下位尺度で測定するポジティブ感情測定尺度(MCL-S.2)では、「快感情」の4項目すべてで、スキップ動作が歩行と走行に対して有意に高い値(p<0.001)を示した。「リラックス感」では歩行が歩行走行に対して2項目で有意に高く(p<0.001)、ほかの2項目でスキップが歩行走行に対して有意に高い値(p<0.001)、「不安感」では4項目すべてでスキップが歩行走行に対して有意に低い値(p<0.05)であった。スキップは「快感情」「不安感」「リラックス感」すべての項目で歩行と走行に対して有意な差が見られたが、歩行と走行とでは「リラックス感」(p<0.001)のみに有意な差が示された。 対象を、週一回以上定期的に運動している人と、運動を特にしていない人の2群に分けて比較したところ、2群間の有意差は走行の「快感情」「リラックス感」に見られたが、スキップのすべての項目において2群間の差はなかった。またスキップ動作の主観的イメージでは、女性の方が男性よりも「嬉しい」「リズミカル」「楽しい」で有意に高い値(p<0.05,0.01)を、また男性の方が「恥ずかしい」で有意に高い値(p<0.01)を示した。