[健康福祉-SA-1] 性差を考慮したコンディション管理の必要性
<演者略歴>
博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事、日本トレーニング科学会会長。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。
博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事、日本トレーニング科学会会長。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。
成人女性の生物学的特徴として、月経周期を有することが挙げられる。月経周期とは、月経開始から次の月経の前日までの期間と定義され、約一ヶ月の周期で性ホルモン濃度が大きく変化 する。このような性ホルモンの変動は、コンディション(こころやからだの調子)に影響を与えることが知られている。さらに、女性は妊娠・出産や閉経などライフステージによっても性ホルモン濃度は大きく変化し、心身の健康状態に影響を及ぼす。したがって、女性の場合には、生涯を通じて性ホルモンの影響を考慮した体調管理が必要となる。しかしながら、それにかかわる情報は十分に普及していないというのが現状である。また、健康の維持増進のためには子どもの時期からの継続的なスポーツ活動が有効であるが、月経随伴症状を理由にスポーツ参加に消極的になってしまうケースもある。今後は、学校教育や部活動を通して、女性のヘルスリテラシーを高める機会を作ることが必要であると考える。本セッションでは、主に月経周期に伴うコンディションの変化に着目し、健康問題やスポーツ活動への影響について検討したい。