日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題A】 大学体育の授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題A】口頭発表②

2022年8月31日(水) 11:00 〜 12:19 第5会場 (2号館4階4E教室)

座長:高橋 浩二(長崎大学)

11:16 〜 11:31

[学校保健体育-A-07] 大学体育におけるこころの準備運動としての「笑いワーク」の教育効果(教,方)

*藤田 恵理1,2、平工 志穂1、田中 幸夫1,2 (1. 東京女子大学、2. 東京農工大学)

【緒言】健康長寿社会実現のためスポーツ実施率の向上が課題となっており、大学体育教育の果たす役割は大きい。笑いは緊張緩和や幸福感、活力、友好的な感情などのポジティブな感情を喚起するため、笑いによる心の準備運動は大学体育授業の教育効果の向上や体育授業におけるコミュニケーションをスムーズに高める効果があると推測され、多くの大学が大学体育の教育目標に掲げるコミュニケーション能力向上等の教育効果向上に役立つと思われる。 【目的】本研究では、大学体育におけるこころの準備運動としての「笑いワーク」が大学体育授業の教育効果に与える影響について検証する。 【方法】2021年10月~12月に大学体育実技授業内で介入調査を行った。授業開始時に通常の準備運動に加えて笑いワークを実施する授業(介入群)と通常の準備運動のみを行う授業(対照群)を設定した。両群ともに同一の内容からなる体育実技授業を実施し、笑いの準備運動が与える影響について、気分・感情評価(POMS2短縮版)、コミュニケーション・スキル尺度(ENDCOREs)、初年次体育授業の主観的恩恵評価尺度を用いて検討を行った。 【結果】その結果、笑いワーク実施群の体育実技後のPOMS2の気分プロフィール変化は、笑いなしの対照群に比べてより大きな改善効果がみられた。ENDCOREs結果から、笑いワーク実施群では「表現力」「自己主張」「関係調整」に良好な変化がみられた。初年次体育授業の主観的恩恵評価尺度では、笑いワーク実施群では笑いなしの対照群に比べて「チームや班のみんなで協力しあうことの大切さの理解」や「技術の上手い下手に関わらず、いろんな人と互いに関われた」という項目において有意に得点が高く、コミュニケーション能力の向上がみられた。 【考察】「笑いワーク」をこころの準備運動として活用することにより、大学体育授業の教育効果やコミュニケーション能力向上のアプローチとして期待できる。