日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題A】 大学体育の授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題A】口頭発表②

2022年8月31日(水) 11:00 〜 12:19 第5会場 (2号館4階4E教室)

座長:高橋 浩二(長崎大学)

12:04 〜 12:19

[学校保健体育-A-10] 大学における教員養成課程での身体運動文化としてのダンス教育の重要性(介,ア,教,バ)

*山﨑 正枝1 (1. 金沢大学)

新学習新学習指導要領のダンスの必須化に、教師のダンス教育の一層の研鑽が重要と考える。体育授業では身体を動かすことが楽しい授業を目指し、即興的な自由な自己表現や創作活動は、教師がダンス教育をいかに重視するかによると示唆する。本研究での教員養成のダンス授業でのアンケート調査の結果、FDと主体的学びには相関関係が示された。主体的学びが高いと問題解決評価は高く強い相関が示された(r=0.8253)。授業におけるマネジメントの役割は非常に大きい。小学校実践事例にて、表現運動での児童の自己評価で82.0%が高評価を示した。「表現運動が楽しい」と答えた児童が81.3%であった。楽しい経験は主体的で達成感を得ることができる。興味あることが創造力や表現力を育む視点から、授業の成果は大きいと考える。特に、教師の「指先からつま先まで意識した動き」への働き掛けは、舞踊での身体運動文化に対する良い刺激となり、次回の学習への意識付けになると示唆される。中学校実践事例にて、ダンスに関するアンケート調査で、単元の初めは「好きである」と答えた生徒は40.8%であったが、単元の終わりには80.3%に増加、生徒の86.8%が楽しめたと評価した。ダンス教育では、学習内容の身体運動のイメージを捉え、動きによる自己表現や動きを工夫する自由で創造的な活動には、教師の手立てが多様な動きを引き出すことに繋がる。単に動きを真似ることや動きを繰り返すのみでなく進化させて横断的で科学的な知見の学びが、学習の効果や成長に貢献すると考える。創造的な自己表現を体験する誰一人取り残さない学習は、表現や踊りを通して仲間とのコミュニケーションを豊かに、次の教育現場に受け継がれると考える。