日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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競技スポーツ研究部会 » 【課題A】 トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】テーマ別シンポジウム/トップアスリート養成の拠点としての大学の意義と問題点Ⅱ ―トップアスリートの大学からプロ・実業団への接続に着目して―

2022年8月31日(水) 14:00 〜 15:50 第1会場 (3号館3階301教室)

コーディネーター:谷釜 尋徳(東洋大学)、田原 陽介(青山学院大学)

[競技スポーツ-SA-3] 男子サッカーの視点から

*須佐 徹太郎1 (1. 阪南大学)

<演者略歴>
1986年筑波大学大学院体育科学研究科満期退学
1987年阪南大学商学部助教授、現流通学部教授、阪南大学サッカー部監督(2021年まで)、
1990年代関西学生サッカー連盟理事長・技術委員長、1991年全日本サッカー連盟理事、現技術委員
20年以上長期低迷していた日本サッカーは、競技人口の拡大をベースとした地盤形成を背景に93年Jリーグ発足を実現させた。02W杯誘致と結びついてJFAは強化諸策に着手。しかし皮肉にも日本サッカーの強化の連環から大学サッカーが外れることに。
 その隘路の克服に、99年度全日本大学サッカー連盟は5ヵ年計画を策定。JFAとの連携強化(特別強化指定選手制度・トレーニング費用の制度化等)、各地域リーグ戦の通年制化と試合数の増加、全国大会の改革によるレベルアップと地域リーグの活性化の企図、二軍選手へのIリーグの創設、ユニバーシアードを基軸とした大学選抜の強化等に着手、悉く実現。結果、Jリーグの新加入選手のほぼ過半数を大卒選手が占め、即戦力率・フル代表選出数の増加に結実。
 問題点として、トレーニング環境・試合環境の整備、生活基盤の確立、教育体制づくり、一般学生との結びつき強化が挙げられる。入場料収入や放映権料に期待できない現状で、自立した資金調達が鍵ではないか。FIFAのトレーニング補償金・連帯貢献金にほど遠いJリーグのトレーニング費用の大幅増額の問題。同時に大学と地域との連携強化に根差した大学スポーツ事業の自立化にあると考える。