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[学校保健体育-A-05] 大学体育授業での心拍計を用いた積極性の評価は授業中の心拍数および授業後の快感情を増加させる(バ,生)
大学体育実技授業では「積極性」を成績評価の一つとして用いていることが多い。しかし、「積極性」の評価は教員の主観に頼るところが大きい。したがって、客観的な指標で積極性を評価することができれば、成績評価基準の明確化に繋がるだろう。 運動強度や運動時間の増加は、最大心拍数や平均心拍数の増加に繋がるものと考えられることから、授業中の心拍数が「積極性」の客観的な評価指標となる可能性が考えられる。しかし、大学体育授業で心拍数を「積極性」の客観的指標とした場合に、学生に与える身体的および心理的影響は明らかにされているとは言えない。そこで、本研究では、大学体育授業での心拍計を用いた積極性の評価が、授業中の心拍数及び授業前後の感情変化に与える影響を検証した。 本研究では、体育授業を受講した60名(男性38名、女性22名)を解析の対象とした。 研究の対象となる授業は、心拍計を装着して2回実施した。1回目には、積極性は成績評価の一つであるというシラバスに記載されている説明を行い授業を実施した。2回目には、積極性を心拍数によって評価するという説明の後授業を実施した。それぞれの授業の前後に、改訂版ポジティブ感情尺度を用いて気分調査を行った。授業はバスケットボールを実施し、レクリエーションとドリブルリレーを行った後、5分間のゲームを2回実施した。心拍数の測定開始から終了まではおよそ50分程度であった。 授業中の最高心拍数と平均心拍数および高強度心拍数の出現時間は、心拍数によって積極性を評価した2回目の授業で、1回目と比較して有意に増大した。また、両授業共に、授業後に快感情が有意に高まり、その増加量は2回目の授業のほうが有意に大きかった。 これらの結果から、大学体育授業での心拍計を用いた積極性の評価は授業中の心拍数および授業後の快感情を増加させることが示された。