日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題C】 人生100年時代に向けていかに人々のスポーツ権を保障するか

生涯スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

2022年9月1日(木) 15:20 〜 16:39 第7会場 (2号館1階12教室)

座長:水上 博司(日本大学)

15:20 〜 15:35

[生涯スポーツ-C-06] スポーツウエルネス吹矢を実施している高齢者の心理的効果について(心)

*高山 昌子1、土屋 裕睦2 (1. 大阪国際大学、2. 大阪体育大学)

厚生労働省(2019)によると平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳。一方、健康寿命は女性74.21歳、男性71.19歳である。健康寿命を伸ばすために次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成、疾病予防、フレイル対策、認知予防していくことで健康寿命延伸にも繋がる。健康づくりは、生活習慣改善だけではなく趣味や社会活動の視点からも考える必要性がある(竹島,2013)。 そこで本研究は、スポーツウエルネス吹矢(以下、SWF)を行っている高齢者を対象にSWFの楽しさが心身に与える影響について知見を得ることを目的とした。対象者は、SWF教室に所属している高齢者49名(男性26名、女性23名:平均年齢は73.69歳±5.09歳)、介助の必要がなく自立して練習会場に参加できる人であった。調査時期は2021年10月に実施した。調査項目は、「運動習慣」「心身への変化」について自由に記述してもらい、生きがい意識調査Ikigai-9(今井ら,2012)、二次元気分尺度(坂入ら,2003)、SWFの主観的運動強度(小野寺ら,1976)について質問紙調査を行った。自由記述はKJ法を用いてクラスター分析を行い、自由記述の原文から同じ意味と解釈できる原文をまとめ、カテゴリーとして集約し、そのカテゴリー内容を表す見出しを付けた。心理尺度については得点を算出した。 その結果、「運動習慣」では半数の人が60分程度のウォーキングを毎日の日課としていることが示唆された。「心身への変化」については、「集中力」「ストレス解消」「肺活量」「腹式呼吸」など6個のカテゴリーに分類できた。Ikigai-9:生きがい意識調査の合計得点の平均が30.73(±5.78)で、SWFを行っている高齢者の生きがいが高いことが示唆された。二次元気分尺度では、SWFを実施している時間は活性度が高く「活動に適したエリア」にあることが示唆された。主観的運動強度の平均値は10.88(±1.86)と「11:楽である」だった。SWF実施者にとって運動強度は低いが、競技を続けることで心身の健康維持増進に関係があることが示唆された。