日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題C】多様なスポーツ文化の保存・流通・促進をいかに刷新していくか

スポーツ文化研究部会【課題C】テーマ別シンポジウム/スポーツ文化の浸透戦略(2) ―身体文化の伝承・継承を科学する―

2022年9月1日(木) 17:00 〜 18:50 第8会場 (2号館2階21教室)

コーディネーター:久保田 浩史(東京学芸大学)、尾川 翔大(日本体育大学) 
指定討論者:石井 隆憲(日本体育大学)

[スポーツ文化-SC-3] 空手の指導実践から考える身体文化の伝承・継承

*清水 由佳1 (1. 一般社団法人劉衛流龍鳳会)

<演者略歴>
世界空手道選手権大会  団体形の部 優勝2回・準優勝2回
アジア空手道選手権大会 団体形の部 三連覇・アジアオリンピック 団体形の部 優勝
2020東京オリンピック 空手競技 解説
殺すための「武術」から、その修行の過程に価値を見出し、その精神性を解くようになって「武道」へと変貌を遂げた。空手も空手道へ。空手界(特に沖縄)では、「伝統空手は絶滅危惧種」であり、今流行っているのは「スポーツ空手である。」いうことを耳にする。しかし、時代の変化に柔軟に対応し、その時代の人々のニーズに寄り添い、人々の心の拠り所としてあったからこそ、空手道は途絶えず、今なお200年以上存在しているのだと思う私は、「昔は…今は…」と批判し、評論家になっている空手家に愚問を感じるところがある。
「伝統」というものには、必ずそのような問題定義がなされているのであろう。
ただ、無形文化である空手道においては「稽古」が全てであり、血統や組織の大きさや口だけでは「技」は語れない。そして、「終わりなき探究」であるからこそ競技生命に関わらず、生涯空手ができるのであり、その探究(研究)のバトンを次世代に渡し続けることそのものの行為を「伝承・継承」というのではないだろうか。
「歪み」かもしれないが、「進化・成長」なのかもしれない。
生身の人間が行う動作である以上、決して「型」にはめることはできない。