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[学校保健体育-C-17] 幼児期における体力と非認知機能の関連(測)
本研究は、幼児期における体力と非認知機能の関連を明らかにすることを目的とした。対象は、2017年度~2021年度に私立幼稚園に在籍していた年長児1280名(男児:644名、女児:636名)であった。体力は、幼児用体力組テストを用いて7項目を測定した。また、体力テスト7項目の主成分分析から得られた第一主成分得点を性別および年齢別(0.5歳区分)にTスコア化したものを体力総合得点とし、5群(1:X<35、2:35≦X<45、3:45≦X<55、4:55≦X<65、5:65≦X)に区分した。非認知機能は、Gutman & Schoon(2013)の先行研究を参考に作成した16設問からなる質問紙を用いて、幼児のクラス担任より5件法で回答を得た。幼児の非認知機能の因子構造を検討するため、因子分析(直行回転バリマックス法)を適用した。得られた因子得点を年齢別(0.5歳区分)にTスコア化したものを非認知機能得点とし、以降の分析に用いた。体力5群間における非認知機能の差を検討するため、二要因分散分析(体力×性)を適用した。因子分析の結果、幼児の非認知機能の因子構造は、やり抜く力因子、対処能力因子、創意工夫因子、自信・リーダー因子の4因子が抽出、解釈された。二要因分散分析の結果、全ての因子に有意な交互作用は認められなかった。性に有意な主効果が認められた項目は、自信・リーダー因子を除く3因子であり、多重比較検定の結果、女児が男児よりも高い値を示し、女児の方がやり抜く力、対処能力および創意工夫に関する非認知機能が高いことが示唆された。体力に有意な主効果が認められた項目は、創意工夫因子を除く3因子であり、多重比較検定の結果、体力総合得点が高い群ほど高い値を示す傾向にあり、やり抜く力、対処能力および自信・リーダーなどの非認知機能は、体力向上の要因となる運動遊びなどを通して育成されることが示唆された。