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[学校保健体育-C-20] 幼児の加速度計評価による座位行動と身体活動の置き換えと運動能力の関連(発,生)
Isotemporal Substitution モデルによる検討
【背景】幼児の身体活動と運動能力の関係については多く報告されており、身体活動の強度がより高く、また時間が多い方が運動能力は優れている。しかし、人の活動時間は有限であり、身体活動時間を増やすには他の活動を減らす必要がある。つまり、低い強度の身体活動をより高い強度の身体活動に置き換える必要がある。幼児において座位行動を身体活動に置き換えることが運動能力に関連するのかは明らかにされていない。【目的】等時間置換(IS)モデルを用いて、幼児を対象に身体活動量計による座位時間および身体活動時間と運動能力の関連を横断的に分析した。【方法】対象は4~6歳児154名(男児81名、女児73名)である。期間は2018年及び2019年の10・11月である。身体活動の測定はActive style PRO HJA-750C(オムロン社)を用いて、一日当たりの座位行動時間(SB)、低強度の身体活動時間(LPA)、中高強度の身体活動(MVPA)、装着時間(WT)を算出した。運動能力は25m走、立幅跳び、ボール投げの3種を測定した。ISモデルによる重回帰分析では、SB、LPA、MVPAの身体活動時間のうちいずれか1つを除いて回帰モデルに投入し、加えてWT、共変量を投入した。共変量は性別、月齢、身長、体重、BMIである。【結果】1日15分のSBをMVPA に置き換えることで25m走が低値(B=-0.62,P=0.03)、立ち幅跳びが高値(B=1.78,P=0.01)、ボール投げが高値(B=0.23,P=0.01)を示した。またLPAをMVPA に置き換えることで立ち幅跳びが高値(B=2.05,P=0.02)、ボール投げが高値(B=0.35,P=0.01)を示した。【結論】座位行動を中高強度の身体活動に置き換えることは、幼児の走・跳・投のすべての運動能力が高く、また低強度の身体活動を中高強度の身体活動に置き換えることは、幼児の跳・投の2種のみが高いことが明らかとなった。