[学校保健体育-SC-2] 発育発達学の視点で考えるこれからの保健体育
<演者略歴>
日本体育大学大学院博士後期課程修了。博士(体育科学)。東京理科大学理工学部専任講師、埼玉大学教育学部准教授、日本体育大学体育学部准教授を経て現職(日本体育大学体育学部教授)。
日本体育大学大学院博士後期課程修了。博士(体育科学)。東京理科大学理工学部専任講師、埼玉大学教育学部准教授、日本体育大学体育学部准教授を経て現職(日本体育大学体育学部教授)。
Society 5.0構想が提唱されている。また、昨今のコロナ禍ではGIGAスクール構想の実現に向けた動きが一気に加速し、子どもの「学び」について再考することを余儀なくされている。さらに、AI、アバター、デジタル教科書等といったコトバを日常的に耳にすることを踏まえると、その議論は喫緊の課題ともいえる。このようなことから、体育科教育学分野ではICTを活用した体育授業のあり方等が模索されている現状がある。もちろん、これからの時代にそのような改革が必要であることは理解できる。しかしながら、ヒトは動物である。動物は「動く物」と書くように、動かなければヒトにも人間にもなれない。また、ヒトは人間でもある。人間は「人の間」と書くように、一人で進化してきたわけではない。家族や仲間とともに共存、協力しながら進化してきた。そのように考えると、ヒトは「動いて動物になり、群れて人間になる」といえる。そしてそのことは、Society 5.0時代、GIGAスクール時代が到来しても同じである。むしろ、そのような社会になればなるほど、動くこと、群れることの重要性を強く自覚しておく必要がある。同時に、保健体育に寄せられる期待はますます大きくなるとも考える。