[学校保健体育-SC-3] 戦後の体育科の変遷について
<演者略歴>
日本体育大学児童スポーツ教育学部教授、日本スポーツ教育学会理事長。(公財)日本学校体育研究連合会理事。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻博士課程修了 博士(体育科学)。白鴎大学教育学部准教授を経て現職。専門は体育科教育学、スポーツ教育学。
日本体育大学児童スポーツ教育学部教授、日本スポーツ教育学会理事長。(公財)日本学校体育研究連合会理事。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻博士課程修了 博士(体育科学)。白鴎大学教育学部准教授を経て現職。専門は体育科教育学、スポーツ教育学。
我が国の学習指導要領は概ね10年に一度の単位で改訂されており、それにあわせて体育科でも重視される内容が変遷している。体育科における指導内容を決定づけていく要因は一つに限らず、児童生徒の実態、教育学やスポーツ科学の学術的発展、国内外の教育やスポーツを巡る動向、さらには政治や行政政策の状況等、多岐に及んでいる。学習指導要領はこうした多様な要因を背景として改訂をしている。一例として、体育科の授業において体力づくりと称して、強度の高い運動を実施していくことの背景には、1964年に開催された東京オリンピックや、同時期に始まったスポーツテスト(現在では、新体力テストと呼ばれる)の影響が見られている。また、現在の体育科では資質・能力の育成に向けて「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」が目指されているが、これは国際的なコンピテンシーベースのカリキュラム論議の影響がある。本発表では、こうした体育科が教科としての指導内容を決定づけていく背景を歴史的にたどり、議論のベースを作る予定である。