日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】 保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/より良質な保健体育授業とその学習内容を考える ―「豊かなスポーツライフ」の実現をキーワードにして―

2022年9月1日(木) 10:30 〜 12:20 第1会場 (3号館3階301教室)

コーディネーター:岩田 英樹(金沢大学)、伊佐野 龍司(日本大学)

[学校保健体育-SB-2] 「ともに」学び育つことの意義と豊かなスポーツライフ

*梅澤 秋久1 (1. 横浜国立大学)

<演者略歴>
1971年生まれ。横浜国立大学教育学部教授 博士(教育学)。神奈川県公立小学校教員を15年勤めた後に2009年に帝京大学文学部教育学科専任講師として着任し2011年より准教授。2013年横浜国立大学教育人間科学部に准教授として着任し、2017年より現職。
気候変動やコロナパンデミック、紛争等の世界規模のアポリアの連続は、刹那的で利己的な価値観の終焉を指南する。持続可能性が希求される中、SDGsの第3目標は「Good Health and Well-being(すべての人に健康と福祉を)」であり、第4目標は「Quality Education(質の高い教育を)」である。いずれも本学会の貢献が期待される目標であるが、その共通点は「全ての人」、「包摂」、「公正」「Well-being」等であろう。
本シンポジウムでは、「ともに」学び育つ対象を全ての多様性とし、障害の有無、ジェンダー、運動格差、年齢差等の格差を包摂する「共生体育」の在り方について言及する。「今だけ、ここだけ、私だけ」という快楽主義(ヘドニア)的な思想から、「今−ここ−わたしたち」の没頭(Engagement)を通じた関係性(Relationship)、意味(Meaning)、達成(Accomplishment)という持続的Well-beingをつくりあう体育において検討していく。そのような体育を探究するためには教師集団も同僚性を基盤とし「ともに」学び育つ必要があると考えられる。