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[健康福祉-C-02] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う臨時休校・外出自粛要請期間中に体調不良を訴えた児童の生活習慣は著しく乱れていた(測)
本研究の目的は、令和2年3月から5月にかけてのCOVID-19感染拡大に伴う臨時休校・外出自粛要請期間中に体調不良を訴えた児童の生活習慣特性を明らかにすることであった。A県B市の全小学生(5,033名)の保護者が、学校再開1ヶ月後に、休校前および休校中の児童の生活習慣について回答した(回収率92.3%)。欠損や異常値が除外された4,246名の有効回答(有効回答率91.3%)のうち、休校前に体調不良の訴えがなかった児童3,594名を分析対象とした。そのうち3,335名は休校中も体調不良を訴えなかったが(H群)、259名は月に1回以上体調不良を訴えた(S群)。休校前の睡眠の質および友人と会う頻度のみ、両群間に有意差が認められたものの、その他の生活習慣項目に有意差は認められなかった。休校前の両群の生活習慣は概ね同様であったと示唆される。他方、睡眠時間を除く両群の休校中のいずれの生活習慣も、休校前より有意に乱れていた。つまり、両群とも休校中の生活習慣は、学習時間が有意に伸びたものの、運動頻度・時間および屋外での活動は減り、屋内でのテレビ視聴時間やスマートフォン使用時間が増え、食事や睡眠が不規則になった。運動頻度、睡眠時間および学習時間を除く休校中のS群におけるいずれの生活習慣も、H群より有意に乱れていた。上述のとおり、両群とも休校前よりも休校中の生活習慣が有意に乱れたが、その程度はS群において顕著だったと示唆される。以上から、COVID-19感染拡大に伴う臨時休校・外出自粛要請期間中、児童らの学習時間は延伸したが、運動頻度・時間および屋外での活動は減り、屋内でのテレビ視聴時間やスマートフォン使用時間が増え、食事や睡眠が不規則になった。これらの乱れは、休校中体調不良を訴えた児童において顕著だったため、児童の体調不良と密接に関係していると示唆された。