15:46 〜 16:01
[競技スポーツ-C-10] 国際レベルで活躍した女子バスケットボール選手におけるグループ戦術の実践知に関する事例研究(方)
ピックプレイに着目して
2020年東京五輪では、女子バスケットボール日本代表が銀メダルを獲得する偉業を成し遂げた。これは、体格的ハンデを持つ日本女子チームが、100を超えるフォーメーションを駆使して、技術、戦術を磨きあげた結果である。バスケットボールにおけるフォーメーションは2対2、3対3といったグループ戦術を組み合わせて構成されている。これは、チームの戦術構想を実現する手段として重要な役割をもつ。
本研究の目的は、女子バスケットボール日本代表のポイントガードが有するグループ戦術に関する実践知を、インタビュー調査により事例的に解明し、指導現場に役立つ知見を提供することであった。対象者は、町田瑠唯選手1名であった。対象場面は、バスケットボールにおいて最も多用されているグループ戦術「ピックプレイ」とした。これは、ボールマンであるユーザーとそのディフェンダー、スクリーンをかけるスクリナーとそのディフェンダーの2対2の場面である。調査内容は、ピックプレイ時のユーザーとしての動きのコツ、味方および相手に向けている注意、上達過程での主要な出来事であった。インタビューにおける全ての発言内容を逐語録として文章に起こし、語りの内容としてまとめ、それを質的に解釈した。
その結果、町田氏は、ピックプレイの準備局面では対峙する相手との距離(間合い)を重視していること、主要局面では自らのプレイスピードを協働するスクリナーの動作に合わせつつ、スクリナーディフェンダーの状況を把握できるようにもコントロールしていることが分かった。また、ユーザーディフェンダーを突破した後、自らシュートを狙う場合は味方へパスをする目線を配り、味方へのパスを狙う場合は目線を下げてドライブの演出をしてスクリナーディフェンダーとの駆け引きしていた。しかし、その目線に相手が反応しない場合には目線で示したプレイをそのまま実行する行動戦略を用いていることが明らかになった。
本研究の目的は、女子バスケットボール日本代表のポイントガードが有するグループ戦術に関する実践知を、インタビュー調査により事例的に解明し、指導現場に役立つ知見を提供することであった。対象者は、町田瑠唯選手1名であった。対象場面は、バスケットボールにおいて最も多用されているグループ戦術「ピックプレイ」とした。これは、ボールマンであるユーザーとそのディフェンダー、スクリーンをかけるスクリナーとそのディフェンダーの2対2の場面である。調査内容は、ピックプレイ時のユーザーとしての動きのコツ、味方および相手に向けている注意、上達過程での主要な出来事であった。インタビューにおける全ての発言内容を逐語録として文章に起こし、語りの内容としてまとめ、それを質的に解釈した。
その結果、町田氏は、ピックプレイの準備局面では対峙する相手との距離(間合い)を重視していること、主要局面では自らのプレイスピードを協働するスクリナーの動作に合わせつつ、スクリナーディフェンダーの状況を把握できるようにもコントロールしていることが分かった。また、ユーザーディフェンダーを突破した後、自らシュートを狙う場合は味方へパスをする目線を配り、味方へのパスを狙う場合は目線を下げてドライブの演出をしてスクリナーディフェンダーとの駆け引きしていた。しかし、その目線に相手が反応しない場合には目線で示したプレイをそのまま実行する行動戦略を用いていることが明らかになった。