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[08測-口-07] 反応バランステストにおける利き脚と非利き脚の比較
転倒回避能力の評価には、単一の転倒関連体力である敏捷性や平衡性などの測定を用いることが多い。しかしながら、実際の転倒回避動作には敏捷性(外乱に対する素早い反応)や平衡性(反応後の姿勢制御能力)が含まれ、一連の動作で評価することが望ましい。これまで、我々は敏捷性と平衡性の2つの観点から転倒回避能力を一連の動作で評価するテスト(以下、反応バランステスト)を考案し、その信頼性と妥当性を確認してきた。そこで、本研究では反応バランステストにおける利き脚と非利き脚の比較・検討を行った。 本研究を基礎的研究と位置づけ、被験者は健常な若年女性27名(20.0±1.1歳)とした。反応バランステストは重心動揺計上で立位姿勢をとり、光刺激後に素早く片脚を挙げ、10秒間の片脚立ち姿勢を保持した。評価変数は敏捷性が片脚挙上時間(光刺激発生から片脚を挙上するまでの時間)、平衡性がCOP10(10秒間のCOP変数)とした。利き脚と非利き脚それぞれで5試行実施し、片脚挙上時間の最大値と最小値を除いた3試行の平均値を代表値とした。 利き脚と非利き脚の片脚挙上時間を比較したところ、有意差はみられなかった。一方で、COP変数を比較したところ、総軌跡長に有意差はみられなかったものの、利き脚よりも非利き脚で支持するほうが片脚を挙上して安定するまでの時間は有意に速かった。以上のことから、反応バランステストの中でも平衡性のみ利き脚と非利き脚を考慮する必要があると考えられる。