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[08測-口-10] テキストマイニングを用いたストレッチングの認識度について
ストレッチングはウォーミングアップや障害予防など、コンディショニング調整の一つとして実施されている。ストレッチングの効果として、関節可動域などの柔軟性が改善したという報告もあれば、筋パワーを減じるという報告もある。これらの先行研究では、参加者にストレッチングを実施させ、その効果を検討しているものが多く、どのようにストレッチングを認識しているか調査しているものはほとんど見ない。そこで、本研究は運動部に所属する中学生を対象にストレッチングの認識度について調査を行い、その特徴を明らかにすることを目的とした。参加者は協力の得られた中学校4校の運動部員(野球2校、バレーボール1校、バスケットボール1校)40名で全員男子である。参加者に対し質問紙を用いて身体特性、1週当たりの練習時間、ストレッチングの認識度について回答を求めた。なお、ストレッチングの認識度は自由記述とした。本研究でのストレッチングの正しい認識は、「全身の筋肉と関節を伸張する体操(広辞苑)」から「筋肉を伸ばすこと」とした。テキストデータの分析は、KH coderを用い共起ネットワークを作成した。また、抽出された語句と調査対象4校および痛みの有無との関連について多重対応分析を行った。共起関係の強さを示すJaccard係数は、「柔軟-体操」、「準備-運動」、「体-ほぐす」、「ケガ-予防-する」、「筋肉-伸ばす」で高い値を示した。また、「筋肉-伸ばす」という回答は6件しかなく、ストレッチングの認識に相違があると推察された。多重対応分析の結果、1週当たりの練習量が多く、かつ痛みを有している被験者が「体-ほぐす」、「筋肉-伸ばす」という認識を有している傾向が見られた。今後は、ストレッチングをどのように認識したかの背景について調査するとともに、ストレッチングの認識度とストレッチング動作との関連について調査することを課題としたい。