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[12人-口-01] 野球マンガからみる現代の高校野球選手の野球観について
日本の学生野球は、精神主義を重視した日本特有の文化である。野球は、1890年のインブリー事件を契機に娯楽から「精神修養」を重視した「武士道的野球」に変容し、後に飛田穂洲が「野球道」や「無私道」と唱えた。この考えは1946年に制定された日本学生野球憲章と多くの共通点があり(中村、2005)、学生野球の精神として全国的に定着したと考えられている。しかしながら、2000年代以降、野球では体罰をはじめとする社会的問題が生じ、野球界は時代錯誤であるとメディアなどで取り上げられてきた。2010年に日本学生野球憲章が全面改正されたものの、現在においても競技人口の大幅な減少が続いている。そのため、日本特有の精神主義を重視した野球と現代の子どもたちのスポーツ観には齟齬があると考えられる。この問題を考察するための1つの手段として、スポーツマンガに着目した。
マンガのストーリーやヒーローには、その当時の社会情勢や社会に根付く価値観、良識が描かれていると考えられる(片桐、1990、p. 31;松田、1993、p. 198)。スポ根マンガの代表である『巨人の星』では、数々の苦難に対して、それらを乗り越えるために血のにじむような努力を続け、最後に勝利を掴むという高度経済成長期の価値観、良識が描かれ(片桐、1990、p. 39)、それが当時の野球観であると考えられる。また、現代の高校野球児においては、『ダイヤのA』が人気のある野球マンガであり(高校野球ドットコム、online)、現代の野球観が反映されていると考えられる。
そこで、本研究では、精神主義や体罰なども描かれ1960年代に人気を博した『巨人の星』と、現代において人気を博している『ダイヤのA』を用いたアンケート調査を通して、高校野球選手の野球観について明らかにすることを目的とした。
マンガのストーリーやヒーローには、その当時の社会情勢や社会に根付く価値観、良識が描かれていると考えられる(片桐、1990、p. 31;松田、1993、p. 198)。スポ根マンガの代表である『巨人の星』では、数々の苦難に対して、それらを乗り越えるために血のにじむような努力を続け、最後に勝利を掴むという高度経済成長期の価値観、良識が描かれ(片桐、1990、p. 39)、それが当時の野球観であると考えられる。また、現代の高校野球児においては、『ダイヤのA』が人気のある野球マンガであり(高校野球ドットコム、online)、現代の野球観が反映されていると考えられる。
そこで、本研究では、精神主義や体罰なども描かれ1960年代に人気を博した『巨人の星』と、現代において人気を博している『ダイヤのA』を用いたアンケート調査を通して、高校野球選手の野球観について明らかにすることを目的とした。