日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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バイオメカニクス/口頭発表①

2022年9月2日(金) 13:20 〜 14:19 第4会場 (3号館8階801教室)

座長:柳谷 登志雄(順天堂大学)

13:35 〜 13:49

[05バ-口-02] テニス切り返し動作における制動局面の地面反力生成メカニズム

*岸 厚佑1、日高 遼子1、田岡 あずみ3、鵜澤 大樹3、仲谷 政剛3、小池 関也2 (1. 筑波大学大学院、2. 筑波大、3. アシックススポーツ工学研究所)

【背景】走方向を180°転換する切り返し動作では身体重心速度を、進入時の値から0となるまで制動したのち、獲得のための加速を行う。硬式テニスにおいては、ハードコート上を滑ることにより減速し、切り返しを行う、スライドフットワーク(以下、SF)という技術がしばしば用いられる。本研究は硬式テニスの切り返し動作中の制動・加速に重要な地面反力の進入方向成分に着目し、スライドの有無に対して、その生成メカニズムを明らかにすることを目的とする。
【方法】対象試技を右利きの大学男子テニス選手10名による、走動作からステップを数回用いての切り返し動作試技(以下、Normal試技)および走動作からSFを用いての切り返し動作試技(以下、Slide試技)の2種類のフォアハンド側の切り返し動作とした。23台のカメラを有する3次元動作分析装置(250Hz)、および4台の地面反力計(1000Hz)を用いて、シューズおよび身体の特徴点に貼付した反射マーカーの三次元座標値、ならびに地面反力データを計測した。右脚を制動脚とし、その足部・下腿・大腿を3つの剛体セグメントによりモデル化し、股関節位置を加速度拘束されるものとしてその運動方程式を導出したのちに、足部と地面との間に設けた仮想関節である圧力中心点における地面反力生成に対する各関節軸トルクの動力学的貢献を算出した。なお、分析区間は支持脚の接地から離地までとした。
【結果と考察】Slide試技において、地面反力の進入方向成分の生成に貢献している関節トルク項の内訳から、分析区間を接地期と制動期に分けると、接地期では以下の特徴がみられた。(1)踵、つま先の順で接地する。(2)つま先接地時に、地面反力の進入方向成分の生成に対して、制動脚膝関節屈曲トルクが負に貢献している。これらの特徴から、接地期は、支持脚の滑り出しにおいて、摩擦を小さくするために下腿を後傾させ、接地直後の短時間に膝関節屈曲トルクを発揮してスライドを可能としていると考えられる。