[07発-ポ-07] ハンドボール投げにおける「サイドハンドスロー」と「オーバーハンドスロー」の比較
近年、我が国における青少年の体格は向上傾向であるものの、体力・運動能力は低下傾向であり、中でも投能力の指標であるボール投げの記録の低下は著しい。ボール投げに関する研究は数多く発表されているにも関わらず、投能力の低下が続いていることは、青少年の体力・運動能力向上させることが喫緊の課題であることを示している。このような現状に対して、本研究では、新体力テストのハンドボール投げにおける投法に着目し、「オーバーハンドスロー」と「サイドハンドスロー」の比較を行うことで、投能力の向上に資する知見を得ることを目的とした。44名の大学生を対象に、体格および体力測定を実施し、「オーバーハンドスロー」と「サイドハンドスロー」によるハンドボール投げの動作を撮影した。ハンドボール投げを実施した結果、44名のうち、34名は「オーバーハンドスロー」よりも「サイドハンドスロー」において、投てき距離が高値であった。また、対応のあるt-testを用いて、投てき距離の平均値の差を比較したところ、「サイドハンドスロー」が「オーバーハンドスロー」よりも有意に高値であった(サイドハンドスロー:23.94 ± 6.80m、オーバーハンドスロー:22.16 ± 5.80m、p < 0.01)。