日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(奇数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 10:00 〜 11:00 第一体育館バスケ2 (第一体育館バスケ)

[09方-ポ-07] 挙上速度基準のスクワット運動による活動後増強効果

*砂川 力也1、福地 修也2、古謝 佑汰3 (1. 琉球大学、2. 宇都宮大学、3. 安慶田小学校)

本研究は、挙上速度を基準としたスクワット運動によるコンディショニング活動が活動後増強(PAP)に与える影響について明らかにすることを目的とした。日常的にレジスタンストレーニングを行っている健常な男子大学生23名(年齢:20.7±1.4歳、身長:171.1±5.0cm、体重:64.7±8.2kg、体脂肪率:14.2±5.4%、スクワット最大挙上重量:91.2±18.8kg、スクワット体重比:1.4±0.2、スクワット最小速度閾値:0.32±0.07m/s、トレーニング経験年数:1年以上4年未満)を対象とした。本研究は、スクワット運動の挙上速度を3条件に設定し、高速条件(1.1~1.2m/s)、中速条件(0.8~0.9m/s)、低速条件(0.5~0.6m/s)と定義した。スクワット運動は、前述した挙上速度に対応するように重量を調整し、最大努力での挙上を指示した。セット内の最大挙上速度を100%とし、相対的な挙上速度の低下率が10%になるまで挙上を反復させ、それを超えた場合には直ちに運動を終了とした。これらの運動は、3分間の休息を挟んで2セット行った。PAP効果の検証には、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)を用いて、各条件の前後に計測し、跳躍高、平均パワー、平均速度、ピークパワー、ピーク速度の変量を評価した。スクワット運動およびCMJは、リニアポジショントランスデューサー(GymAware)を用いて測定し、運動学的変数の関係より各パラメータを算出し分析を行った。その結果、条件間でスクワット運動の挙上速度、反復回数および総挙上重量に統計的な有意差が認められた。すべての条件において、スクワット運動後にCMJの跳躍高、パワーおよび速度が有意に増大し、条件間に差は認められなかった。このことから、PAPの誘発にはコンディショニング活動の挙上速度と総挙上重量の組み合わせに依存することが明らかとなった。また、速度を基準にすることで、個々の疲労耐性に応じてPAP誘発に必要な総挙上重量を処方でき、即時的なジャンプパフォーマンスの向上に貢献できる可能性が示唆された。