[09方-ポ-19] Bリーグクラブ ・ユースチームと高等学校バスケットボール部におけるコーチング環境の実態調査
2020年の「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」によってこれまでの部活動は学校単位から地域単位の取り組みとする方針が示され、これまで教師の献身的な勤務の元に成り立っていた部活動におけるコーチングの位置づけが見直され始めている。バスケットボール界においては、Bリーグ発足を契機に、2018年からBリーグへの参加資格としてユースチーム(U-18、U-15)の保有が義務づけられることとなった。このような背景から、バスケットボールをする中学生の活動拠点は学校単位から地域単位へ移行する流れにあると言える。そして、現在は競技力の高い中学生年代のバスケットボール選手が高校の部活動か、地域のユースチームかを選択しなければいけない移行期を迎えている現状である。そこで本研究では、今後の育成年代のあるべきコーチング環境を検討するための第1ステップとして、Bリーグ・クラブユースチームと高等学校バスケットボール部それぞれのコーチング環境に関する実態調査を行った。対象は、Bリーグ・クラブユースチーム指導者4名、高等学校バスケットボール部指導者4名(いずれも直近5年内に、全国大会ベスト4以上)とした。調査は個別性の高い広範囲な回答が得られることを重視したため、1対1の半構造的、深層的、自由回答的インタビューにより実施した。インタビューに用いた質問項目は、古賀ら(2013)の先行研究に倣って次の3つを設けた。①ユース(高校)年代では何を大切にしながら育成に携わっていますか。②どんな選手を育てたいと思いながら指導されていますか。③選手を育てるために、どのような知識を生かしながら指導されていますか。発表では、Bリーグ・クラブユースチームと高等学校バスケットボール部それぞれの指導者の指導哲学の対比やコーチング環境についての現状を報告する。