[07発-ポ-10] 高校野球部員のシーズン直前からシーズン中における身体組成および体力の推移
【背景】野球選手において身長や体重などの身体組成や握力や垂直跳跳躍高などの体力は、投球速度やバッティングなどのパフォーマンスに影響すると言われている。特に高校生は成長期でもあり発育・発達に伴い、体格や身体組成、体力は変化しやすい時期であることが考えられる。しかし高校生の身体的、体力的要素における研究の多くは横断的データが用いられており、シーズン直前からシーズン中にかけて縦断的に身体組成や体力の推移を検討した研究は少ない。そこで本研究では、高校野球選手を対象に、シーズン直前からシーズン中の身体組成および体力の推移を検討することを目的とした。【方法】対象者は、A高校野球部に所属する高校生17名(測定開始時1年生n=10、2年生n=7)であり、全てのデータが揃った15名を分析対象とした。測定は、シーズン直前の2022年3月及び、シーズン中の4月、5月に実施した。身体組成は身長及び体重、体脂肪率、体脂肪量、除脂肪量とした。体重、体脂肪率、体脂肪量、除脂肪量は生体インピーダンス法(TBF-310 タニタ社製)にて測定した。また体力要因として、握力は握力計(T.K.K. 5401、竹井機器社製)を、 背筋力は背筋力計(T.K.K. 5402、竹井機器社製) を用いて測定した。握力の測定値は、左右の平均値とした。垂直跳高は、マットスイッチ(マルチジャンプ テスタ、DKH 社製)を用いて測定した。また、対象者の垂直跳による仕事(パワー)を算出するために、跳躍高と体重から求めた。垂直跳のパワーの算出は、以下の直跳パワー(W)= 60.7 ×垂直跳高(cm)+ 45.3 ×体重(kg)- 2055の式で求めた。全身の無酸素性パワーの指標として3 kg のメディシンボールを用いて、バック投げによる投てき距離を計測した。【結果】3月の身長は168.6±5.8cm、体重は63.0±7.2kg、体脂肪率は15.9±3.8%であり、令和2年度体力・運動能力調査報告書と比較すると、身長は同程度であるが、体重は重い傾向であった。また、握力は39.3±9.8kgであり、同程度であった。