The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » 発育発達

発育発達(偶数演題) ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 10:00 AM - 11:00 AM 第一体育館バスケ1 (第一体育館バスケ)

[07発-ポ-16] 「多様な動きをつくる運動」の授業で出現する基本的な動きの特徴

*Kohei Nagano1, Toshiaki Shinohara2,3, Kazuhiko Nakamura4 (1. Hijiyama Junior College, 2. Kyoei University, 3. Doctoral Degree Program, Nippon Sport Science University, 4. University of Yamanashi)

【背景】体つくり運動の授業実践については、その困難さや課題が指摘されているが、この背景には体つくり運動の授業は、実証的な研究が少なく、データに基づいた議論がなされていないことが一因と考えられる。実際に体つくり運動で、重要とされるべきである基本的な動きに関する情報は限られており、授業内で児童がどのような基本的な動きをどのくらい経験したのかといった所謂「多様化」に関する研究の蓄積は少ない。これまでの先行研究では研究上の課題が残り、多様な動きをつくる運動(遊び)の授業をより良いものに改善していくためにも、多数の授業を対象に、授業中の基本的な動きの状況を把握することは重要である。
【目的】小学校中学年の体つくり運動領域における「多様な動きをつくる運動」の授業において出現する基本的な動きの特徴を明らかにすること。
【方法】小学校19校で実施された第3・4学年の体つくり運動領域「多様な動きをつくる運動」の単元なかの31授業を対象授業とし、受講した児童882名のうち124名(各授業男女2名ずつ)を分析対象とした。小学校学習指導要領解説体育編に例示されている基本的な動き(以下FM)を直接観察法によって捉えた。
【結果・考察】1授業当たりのFMは212.0±92.0回、12.7±2.7種類であった。系統別にみると、体のバランスをとる運動では49.1±22.2回、3.6±1.2種類であり、体を移動する運動では92.7±70.1回、4.2±1.0種類であり、用具を操作する運動では55.1±59.0回、3.3±2.0種類であり、力試しの運動では15.1±14.9回、1.6±1.2種類であった。また、多くの授業で共通して出現するFM(座る:100.0%、立つ:99.2%、歩く:100.0%、走る:99.2%)がある一方で、出現しにくいFM(登る:9.7%、降ろす:2.4%)があることも確認された。今後は、この知見を踏まえて、単元を通じて満遍なく基本的な動きを経験できるような単元計画の作成が求められる。