日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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測定評価 ポスター発表

2022年9月2日(金) 11:40 〜 12:20 第一体育館バスケ3 (第一体育館バスケ)

[08測-ポ-01] 幼児における基本的動作の観察評価観点と運動パフォーマンスの関連

*黒川 優介1、岸 秀忠1、小貫 凌介2,4、慎 少帥3,4、鈴木 宏哉4 (1. 順天堂大学大学院、2. 聖ヶ丘教育福祉専門学校、3. 愛知県立大学、4. 順天堂大学)

【背景および目的】
近年、子どもの基本動作の習熟度は1985年頃と比較して未熟なレベルであることが報告されている。日本スポーツ協会は速さや距離などの動きの「量」に注目した評価だけでなく、どのような動きをしているかという動きの「質」に注目して評価を行う観察評価を取り入れた運動適正テストⅡを作成した。これまで、基本的動作と運動パフォーマンスとは有意な関係があると報告されていたが、観察評価の評価観点が運動パフォーマンスに与える影響の程度やその違いについては明らかとなっていない。したがって、本研究の目的は、幼児における基本的動作の観察評価観点と運動パフォーマンスの関連を明らかにすることであった。
【方法】
対象者は私立子ども園に通う年少児22名、年中児21名、年長児22名であった。観察評価と運動パフォーマンスの測定は日本スポーツ協会が作成した運動適正テストⅡを用いて25m走、立ち幅とび、ボール投げを実施した。観察評価は撮影した動作の映像をもとに2名で評価を実施し、全体印象(3段階)、部分観点(①~④について、達成・未達成)を判定した。分析には従属変数を運動パフォーマンス、独立変数を観察評価の観点別点数とした重回帰分析を用いた。
【結果】
重回帰モデルの説明率(調整済みR2%)は、25m走が59.4%、立ち幅とびが75.5%、ボール投げが36.7%であった。各モデルの標準化回帰係数は、部分観点よりも全体印象において高い傾向にあった。
【結論】
観察評価における全体印象が基本的動作の運動パフォーマンスに影響しており、運動パフォーマンスに対する影響は基本的動作様式によって異なる。