日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育方法(偶数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 13:00 〜 14:00 第一体育館バスケ1 (第一体育館バスケ)

[09方-ポ-30] 走高跳の試合における踏切動作のキネマティクス・パラメータの変容

自己記録を更新した男子選手の事例

*杉林 孝法1、大田 和宏2 (1. 順天堂大学、2. 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科)

走高跳の試合において自己記録を更新した男子日本トップレベル選手1名に着目し、全試技を対象として客観的試合分析を行った。本研究では、踏切局面のキネマティクス・パラメータの変容を明らかにすることで、実践的なトレーニング課題を抽出することを目的とした。 分析対象者は、対象試合当時23歳であった男子社会人OK選手(身長:1.74m、体重:59.0kg、対象試合までの自己記録:2.21m)の1名とした。OK選手はこの試合で2.22mの新たな自己記録を樹立したため、この時点での最高パフォーマンスが達成されたと考えられる。試合時の試技を2台のハイスピードカメラ(120fps)を用いて踏切局面を中心に撮影し、踏切接地10コマ前からバークリアまでの身体分析点23点をビデオ動作分析システム(DKH社製、Frame DIAS V)によりデジタイズした。身体分析点とコントロールポイントの座標から、3次元DLT法を用いて身体分析点の3次元座標を算出した。キネマティクス・パラメータとして、最大重心高、身体重心速度、速度変換率、膝関節角度等を算出した。 最大重心高は2.09m-2nd から2.18m-1st の試技まではバー高の上昇に合わせて高くなり、バー高よりおおよそ0.05-0.06m高く跳んでクリアしていた。試合前半の2.14m-1st までは、余裕を持って確実にクリアしつつも高く跳び過ぎないようにコントロールしていたとみられる。踏切接地時の重心水平速度にはバー高に関係なく一定のばらつきがみられ、また最大重心高との間に相関関係は認められなかった。このことから、OK選手の最大重心高のコントロールおよびその最大値の発揮は、助走スピード(踏切接地時の重心水平速度)ではなく速度変換率の変化、すなわち踏切によって達成されていたと考えられる。 踏切動作に関するパラメータの変容についてはポスターにて詳解します。