日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育心理学(奇数演題) ポスター発表

2022年9月2日(金) 10:00 〜 11:00 第一体育館バレーボール1 (第一体育館バレーボール)

[03心-ポ-19] JリーグクラブU-15育成年代の競技力向上に関する研究

沖縄県地域と九州地域・関東地域の3クラブによる比較から

*松山 博明1 (1. 追手門学院大学)

日本サッカー協会(Japan Football Association:以下JFA)が【JFAの約束2050】を通じて日本サッカーの中長期目標を掲げた。それと同時に、目標実現のための対策として、ロードマップ及び【三位一体+普及】(代表強化、ユース強化、指導者養成)を発表し、日本サッカーの国際競技力の向上に本腰を入れている(JFA,online)。特に、サッカー普及とユース世代のサッカー人材の養成がサッカー発展のため欠かせない課題と位置付けられている。また、Jリーグも「地域に根ざしたスポーツクラブを核として、豊かなスポーツ文化を醸成する」、という理念を持ち、2030年フットボールビジョン達成に向け、アカデミーは計画的に世界水準の選手を育てる仕組みをつくる計画が必要である。こうした地域に根付いた育成型クラブの構築を目指すことが、世界でサッカー強豪国になるために、不可欠であると考えられる。沖縄県地域は、Jリーグに加盟している琉球FCが存続する前から、離島にも関わらず毎年Jリーガーを輩出している経緯がある。そこで、本研究では、JリーグクラブU-15育成年代選手の沖縄県地域のJリーグクラブ(以下:沖縄地域)と九州地域のJリーグ(以下:九州地域)・関東地域のJリーグクラブ(以下:関東地域)(松山,2021)による心理的競技能力診断検査(DIPCA.3)を実施し、育成年代の競技力を明らかにすることを目的とした。育成年代による競技力の現状を明らかにすることで、今後の育成年代の日本サッカーの中長期目標の実現につながる一つの指標となることが期待される。その結果、沖縄県地域は、九州地域と比較して忍耐力、自信、決断力、予測力の12因子中4因子が高数値であった。また、関東地域は、九州地域と比較して自信の12因子中1因子が高数値であった。このことから、沖縄地域の選手育成は、地域に根付いた育成強化による効果が高まったことが分かった。また、選手は、クラブの選手育成のプログラムを通じて、日々のトレーニングの中で何事にも諦めない忍耐力と自信をつけ、局面の中で最良な判断や決断力が養われていることが明らかになった。