[03心-ポ-40] 大学女子バスケットボールチームにおけるスポーツ・セルフマネジメント 尺度を用いたチームマネジメント
スポーツ集団を対象にした研究において、集団凝集性、集団効力感といった観点から集団の特徴を捉え、チームパフォーマンスとの関連性について検討を行うことがこれまで多くなされてきた。スポーツ集団を測定する様々な尺度の開発や活用が進められてきたが、集団のパフォーマンスに影響を与える個人の能力の解明や集団の変動を捉えるなど、新たな視点での取り組みの必要性も伺える。竹村(2013)は、優れた集団としての特徴を詳細に捉えていくためには、選手個人の能力にも着目する必要があると考え、スポーツ集団に所属する選手個人の能力(心理的スキル)を「集団の競技パフォーマンスに正の影響を与える、選手自身が主体的に思考・行動し、実践する自己活用力」と定義し、スポーツ・セルフマネジメントスキル尺度(学生アスリート版)を開発した。この尺度は、「チームへの貢献」「思考力」「自己内省」「誠実的態度」「継続的取り組み」「達成努力」「課題改善」「創意工夫」という8つの因子からなっており、集団凝集性、集団効力感などの集団の特性を測定する尺度との関連性が認められている。また、集団に所属する個々の選手を3次元化して示し、チームの特徴の把握から縦断調査によるチーム変動の可視化を試みている。 そこで本研究では、関東大学女子バスケットボール連盟に所属するチームを対象とし、スポーツ・セルフマネジメントスキル尺度を用いて、個人とチーム両面からの分析と介入手法の構築を目的とし調査を実施した。研究方法は、春季選手権大会前に測定を行い、個々への結果のフィードバックと、指導者と各選手の面談による介入を行う。本調査によって、大会結果との関連性、大会前の選手個人のスポーツ・セルフマネジメントスキルとチーム特徴の把握を試みると共に、継続的な調査研究へと繋いでいく。