日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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体育科教育学 ポスター発表

2022年9月2日(金) 11:30 〜 13:00 第一体育館バレーボール2 (第一体育館バレーボール)

[11教-ポ-10] ドリルとストレッチングを用いた投動作指導の学習指導効果

野球初心者の中学一年生を対象として

*田中 雄大1、笠次 良爾2、山口 裕士1、山口 琢士4、松尾 浩希3 (1. 奈良教育大学教職大学院、2. 奈良教育大学、3. 森ノ宮医療大学、4. 奈良女子大学附属中等教育学校)

【目的】 文部科学省による新体力テストの結果、児童生徒の投能力は低下傾向にあり、体育の授業で指導を行う必要があると考えられる。投動作の指導に関して、長野ほかは小学2年生を対象に投動作に関するドリルを行い、投能力が向上したことを報告している。また、岩堀は成長期の野球選手を対象にストレッチを行い、関節可動域を向上させることで、投動作が改善したことを報告している。しかし、野球未経験の中学生を対象に、ドリルとストレッチを組み合わせて投動作の指導を行った研究はない。よって、本研究は体育授業でドリルとストレッチを組み合わせた投動作指導を行い、投球動作の改善及び投能力の向上に及ぼす影響を比較検討することを目的とした。
【方法】 対象は、N中等教育学校の第1学年の男子生徒のうち、野球未経験で、期間中授業を欠席していない生徒29名を対象とした。介入期間は2021年9月下旬~11月中旬であった。 方法は、対象を介入期間前半にドリル、後半にストレッチを行う群(以下DS群)と、前半にストレッチ、後半にドリルを行う群(以下SD群)の2群に分け、介入は体育科の球技の授業の最初15分で、前半後半各4回、計8回実施した。評価は、柔軟性、投能力、投球動作の測定を介入前、前半介入後、後半介入後の計3回行った。
【結果】  柔軟性は、軸足の股関節の内旋可動域が、SD群で、介入前と比較して後半介入後に有意な向上がみられた。 投能力は、球速が、両群ともに介入前と比較して後半介入後で有意に向上した。また、DS群ではドリルだけを行った前半介入後も有意な向上がみられた。  投球動作は、両群ともに介入前と比較して後半介入後に有意な向上がみられた。また、DS群の前半介入後よりも、SD群の後半介入後の方が有意な向上がみられた。
【結語】  ドリルだけでも投能力および投球動作の向上がみられたが、ストレッチを組み合わせることでよりその効果が得やすい可能性が示唆された。