日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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アダプテッド・スポーツ科学 ポスター発表

2022年9月2日(金) 13:00 〜 14:30 第一体育館バレーボール3 (第一体育館バレーボール)

[13ア-ポ-04] ブラインドサッカー体験が小中学生の障害者観に与える影響について

視覚障害者および視覚障害者スポーツに対するイメージの変容を中心に

*相川 貴裕1、加地 信幸1、河野 喬1 (1. 広島文化学園大学)

本研究では、小中学生が視覚障害者とともにブラインドサッカーを体験し、体験前後の視覚障害者および視覚障害者スポーツに対するイメージについてのアンケート調査することにより、障害者観にどのような変化があるかを明らかにすることを目的とした。学校教育において、インクルーシブ教育が推進されている中、障害の有無に関わらずすべての児童・生徒がともに体育・スポーツを行うことは重要である。ブラインドサッカーは、ルールもフットサルとほとんど変わらない上、アイマスクを装着することで視覚障害者とほぼ同一条件で体験することのできるスポーツであり、体験を通した視覚障害者および視覚障害者スポーツの理解に有効な種目の1つであると考えられる。今回は、日本ブラインドサッカー協会および発表者が代表をつとめるA-pfeile広島BFCの選手・スタッフの協力を得て、日常的にブラインドサッカーを行っている視覚障害者とともに体験会を授業内で行った。体験前のアンケート調査では、視覚障害者に対するイメージは、「見えないから動くことが難しそう」、「一緒にサッカーをするのが怖い」など否定的なものが多かったが、体験後は、「自分たちと変わらず動くことができる」、「見えないのにボールやゴールの位置がわかってすごい」など肯定的なものに変化していた。また、体験前は視覚障害者=全盲というイメージが強かったが、弱視という見えづらい視覚障害者を知ることができたものが多く、視覚障害者の理解につながったと考えられる。視覚障害者スポーツに対するイメージは、体験前は、危険や怖いスポーツというイメージが多かった。また、視覚障害者スポーツを知らない小中学生もいた。しかし、体験後には楽しいスポーツと考えるものが多くなった。このことから視覚障害者とブラインドサッカーを行うことが、視覚障害者や視覚障害者スポーツに対して肯定的なイメージを連想することに有効であることが示唆された。