日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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アダプテッド・スポーツ科学 ポスター発表

2022年9月2日(金) 13:00 〜 14:30 第一体育館バレーボール3 (第一体育館バレーボール)

[13ア-ポ-06] パラ陸上( 低身長症 )・男子やり投選手における投てき動作の事例的研究

*山手 勇一1、水野 洋子2、水野 増彦2、山下 直紀1、阿江 通良2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)

本研究ではパラ陸上( 低身長 )・男子やり投選手の競技会における投動作を事例的に分析し、競技力向上に役立つ基礎的知見を得ることを目的とした。第119回日本体育大学陸上競技会( 2021年3月 )および令和3年度第1回日本体育大学パラ競技会( 2022年3月 )の男子やり投( F41 )に出場したパラ陸上競技選手1名( 1.35m、54kg、23歳、最高記録:33.60m、競技歴:5年、右投げ )の試技を2台のビデオカメラ( SONY社製、AX-700、120fps )で撮影し、各試合で記録の最も良かった試技についてリリースパラメータ、身体各部の関節角度などを算出した。その結果、記録の良かった試技( 33.60m、2022年3月 )では他の試合( 33.09m、2021年3月 )と比べると、初速度( 18.25 vs. 17.92m/s )が大きかった。一方、最後の右足接地( R-on )時における身体重心の水平速度( 助走速度 )は記録の良かった試技の方が小さかったが( 3.82 vs. 4.15m/s )、リリース( Rel )時では差がなかったことから、記録の良かった試技では助走速度の減速が小さいことがわかった。スティックピクチャーの観察から、記録の良い試技では、R-on時および最後の左 足接地( L-on )時の体幹の後傾が小さく、水平回転( 左回転 )のタイミングが早く、Rel時の体幹の前傾が大きかった。これらのことから、本研究の対象は低身長のため、全身に対する体幹の質量および慣性モーメントの占める割合が大きく、体幹の動きが他の身体部分の動きに大きな影響を及ぼすと考えられ、準備局面( R-on~L-on )において体幹の後傾を大きくしすぎないことが望ましいと考えられた。