日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題A】大学体育の授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題A】口頭発表②

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:19 RY206 (良心館2階RY206番教室)

座長:今宿 裕(作新学院大学)

10:35 〜 10:49

[学校保健体育-A-06] 大学体育授業後の運動・身体活動に対する意識の変容(保)

*池田 悠真1、上地 勝2、大津 展子2、吉野 聡2、加藤 敏弘2 (1. 茨城大学大学院教育学研究科、2. 茨城大学)

【目的】令和元年国民健康・栄養調査報告によると,運動習慣がある者の割合は低い割合に留まっている。運動習慣の形成には,身体を動かすことの楽しさとその意義に気づくことが必要であると考えられる。A大学の一般体育実技「ボディワーク」の授業は,「心身の課題に気づき,課題解決のための知識及び技能,思考力・判断力を養う」ことを目的としており,運動に苦手意識を持つ学生の多くが履修する。本研究では,「ボディワーク」の授業の履修者を対象として履修前後の運動・身体活動に対する意識を調査し,運動習慣の形成に繋がる体育授業の在り方を探ることを目的とした。 【方法】2021年4月から7月にかけ,「ボディワーク」を履修する学生70名を対象に,運動経験,運動頻度,卒業後の運動意欲,高校・大学の身体活動や体育実技等,計30項目について質問紙調査を実施した。調査にあたっては,研究の参加は自由であること,参加の有無によって授業評価に関係はないこと,プライバシーは厳重に守られることを文書及び口頭で説明し,同意を得たもののみを研究対象とした。分析にはIBM SPSS Statisticsを用い,有意水準は5%とした。 【結果】受講後に多くの学生が身体活動に対する意識が向上していた。自由記述では授業について運動が苦手な人でも楽しく参加することができる点を肯定的に捉えており,体のほぐし方,体の調子の整え方,運動習慣の形成等に関心を持つとともに,体を動かすことの楽しさや大切さに関する記述が多く見られた。 【結論】本研究の対象者は,大学入学後運動習慣がほとんどない集団であった。しかし,「ボディワーク」の授業を通して,身体活動や体育実技に対する意識が向上しており,身体を動かすことの大切さに気付くことができていた。これらのことから,「ボディワーク」の授業は,運動習慣の形成,健康・体力の保持増進に役立つ授業であるといえる。