日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題A】大学体育の授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題A】口頭発表②

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:19 RY206 (良心館2階RY206番教室)

座長:今宿 裕(作新学院大学)

10:50 〜 11:04

[学校保健体育-A-07] 静岡県の大学における大学体育の成績評価の観点について(生)

*太田 洋一1 (1. 静岡福祉大学)

【目的】大学体育は履修人数の制限などの理由から、同一科目名で複数クラス開講されることが多く、クラスによって異なる成績評価基準で授業が実施されていることも少なくない。そこで、本研究では大学体育の成績評価の観点(方法・基準)について明らかにすることを目的とした。
【方法】本研究では、静岡県の大学で2022年度に非専門科目の実技科目としての体育・スポーツ科目のシラバスの詳細が確認できた13校を調査対象とした。各大学のWebサイトを閲覧し、公開されているシラバスから、科目名、担当教員名、授業目的、授業内容、成績評価方法が確認できたものを対象に、成績評価の基準・方法を集計した。集計の際に、同一大学の同一科目名で複数シラバスが確認された場合、担当教員もしくは授業内容のいずれかが異なるシラバスであれば、それぞれで成績評価方法を集計した。成績評価方法は「態度・意欲」「知識・理解」「技能」の3つの観点に分類した。また、シラバスに成績評価の比率が完全に記載されているものについては、「態度・意欲」「知識・理解」「技能」の3つの分類で比率を集計した。
【結果】成績評価方法が集計されたシラバスは110個であった。その内、「態度・意欲」を評価の観点と記述しているものは109個認められ、「知識・理解」は55個、「技能」は95個認められた。成績評価の比率が完全に記載されていたシラバスは95個で、「態度・意欲」の比率の平均は45.8±19.1%(最大80%、最小0%)、「知識・理解」は15.7±19.8%(最大75%、最小0%)、「技能」は38.6±22.0%(最大85%、最小0%)であった。
【まとめ】本研究で集計されたシラバスにおける成績評価の観点は、「知識・理解」と「技能」よりも「態度・意欲」を重視する傾向が認められた。