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[健康福祉-A-02] 大学生のロコモティブシンドローム予防を目的とした体操試案に関する研究(介,方)
靴下を用いた体操の介入を通して
【目的】大学生を対象に靴下を用いたロコモティブシンドロームの予防体操を考案した。本研究は、靴下体操の介入による柔軟性及び筋力、平衡能の変化と実施者の心理状態を明らかにすることで、考案した靴下体操のロコモ予防効果について基礎的知見を得ることを目的とした。【方法】健康な大学生及び大学院生18名(19.7±1.6 歳)を対象に、3週間の靴下体操の介入と5回の対面指導を行った。靴下体操はバランス運動や下肢筋力、柔軟性向上を目的とした運動で構成し、音楽リズムに合わせて実施させた。靴下体操の効果を検証するため、介入前後と介入終了1ヶ月後に筋力(握力、立ち幅とび)、柔軟性(長座体前屈)、平衡能(重心動揺)、ロコモに関する測定(子どもロコモ基本動作チェック、ロコモ度テスト)を行い、対面指導3回目にTDMS-STを調査した。ロコモリスクの有無が介入効果に影響を及ぼすかを検証するために2要因分散分析を行った。TDMS-STについては、t検定を行った。有意水準は5%未満とした。【結果】ロコモに関する測定結果から、ロコモリスク群(4名)とロコモ非リスク群(14名)に分けられた。筋力に関する測定ではロコモリスクの有無に関わらず介入による影響は示されなかった。柔軟性に関する測定ではロコモリスク群において靴下体操介入により値が有意に向上し、介入終了1ヶ月後まで維持されていた。平衡能に関する測定ではロコモリスクの有無に関わらず、右脚片脚立ちの平衡能が有意に向上した。TDMS-STでは、体操実施後の活性度と覚醒度が有意に増加した。【考察】体操介入によって、実施後に対象者の気分を良好にできたことに加え、ロコモ予防において重要な柔軟性と平衡能の向上が認められたため、考案した靴下体操は大学生のロコモを予防する運動として寄与する可能性が示唆された。