日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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健康福祉研究部会 » 【課題A】健康増進につながる体力・運動の在り方をいかに考えるか

健康福祉研究部会【課題A】口頭発表③

2023年8月30日(水) 11:25 〜 12:09 RY301 (良心館3階RY301番教室)

座長:都筑 真(日本女子体育大学)

11:40 〜 11:54

[健康福祉-A-08] オンラインでの自重トレーニングがメンタルヘルス関連指標に与える影響(介,生,心,トレーニング科学)

*佐藤 雄也1、望月 佑季奈1、齋藤 未花1、出口 実1、上妻 歩夢1、菊池 さやか1、田代 空1、本間 洋樹1、岡本 孝信1、菊池 直樹1 (1. 日本体育大学)

【背景】オンラインでの自重トレーニングは筋力、筋量を増加させるだけでなく、メンタルヘルスも改善することが明らかとなっている(Kikuchi et al, 2023)。しかし、メンタルヘルスの評価は心理学的指標のみであり、生理学的効果は評価されていない。抑うつなどメンタルヘルスの改善には脳由来神経栄養因子(BDNF)が関連していることが報告されており(Shimizu et al,2003)、心理学的指標と併せて検討する重要性は高い。【目的】オンラインでの自重トレーニングがメンタルヘルス関連指標に与える効果を明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は健康な成人53名(男性24名、女性29名)で、ランダムにオンライン群と対面群に振り分けた。その後、24名が個人的理由などで脱落し、29名(男性14名、女性15名 / オンライン群20名、対面群9名)がすべてのトレーニングを終了した。トレーニングは8週間16回の自重エクササイズ(7種目)を実施した。測定はトレーニング期間前後にCES-D(抑うつ度)、WHO-5(精神健康度)、採血(血清BDNF濃度)、30秒腕立て伏せテスト(30PUT)、30秒椅子立ち上がりテスト(CS30)を測定した。【結果】30PUTとCS30において、時間と群の交互作用はみられなかったが、時間の主効果がみられた(30PUT: p<0.001, CS30: p=0.006)。CES-Dは時間と群の交互作用はみられなかったが、時間の主効果がみられた(p=0.04)。WHO-5は両群で有意な変化はみられず、血清BDNF濃度も有意な変化はみられなかった。血清BDNF濃度の変化率とDES-D、WHO-5変化率の間に相関関係はみられなかった。【結論】オンラインでの自重トレーニングは対面同様に筋力と抑うつを改善するが、血清BDNF濃度には影響を与えなかった。